鉄道と自転車でプチ冒険に出よう

主に鉄道で行く温泉を楽しみ、旅の記念にマンホールの捕獲を楽しんでいます。宿の宿泊記やマンホールカードを紹介しています。

MENU

宮城県鎌先温泉 湯主一條の宿泊記

鎌先温泉は宮城県白石市に古くからある温泉地です。宿は4軒ほどの小さな温泉地ですが、600年以上の歴史があり、「傷に鎌先」と言われてきた温泉です。こういう温泉は名湯が多いので、以前から行ってみたいと思っていたのです。中でも今回宿泊した湯主一條には木造4階建ての本館があり、有形文化財の指定を受けていて、その建物も見てみたいと思った次第です。今回夫婦での東北紅葉旅の時に泊まったので、宿泊記を書きました。2024年11月の宿泊です。

湯主一條の概要

  • 部屋数は24室(楽天トラベルより)。露天風呂付のお部屋や和室、ベッドの部屋などお部屋の種類は複数あり
  • 現在は食事処となっている木造4階建ての建物が素晴らしい
  • お部屋でWifi使用可。ベッドサイドにコンセントもあり充電には困らない
  • 白石蔵王駅からの送迎あり(要予約)
  • チェックインは15時、アウトは11時
  • 近所にコンビニはない。カフェが1軒歩いて5分くらいの場所にある
  • 金曜日の2人で和室10畳にとまり2食付きで1人27,000円くらい。ひとり旅プランもある

 公式サイト

www.ichijoh.co.jp

チェックイン

湯主一條は鎌先温泉の坂の上にたっていて、玄関までの道路は車一台がやっと通れる急坂です。そのためマイカーやレンタカーで訪れる人も、送迎バスで来る人も、温泉地の入り口付近の駐車場で宿の送迎車に乗り換えて向かいます。歩いても5分くらいの距離です。

狭い坂を送迎車で上って玄関に到着

玄関に到着すると、ラウンジに案内され、ウェルカムドリンクをいただきます。

ラウンジでウェルカムドリンク

こちらのラウンジは夜はカクテルなども楽しめます。

ラウンジ

その後スタッフの方にお風呂の場所などを案内していただき、お部屋に向かいました。

10畳和室のお部屋

今回選択したのはこちらの宿で一番お安いタイプの和室10畳です。予約時はお布団を敷くお部屋だったのかもしれませんが、その後メールが届き、ベッドになりました、というご連絡がありました。10畳和室の奥には広縁があり、テーブルと椅子があります。広縁には洗面台もあるので、やや窮屈な印象でした。

10畳のお部屋

ベッドだとチェックイン直後から、ゴロゴロできるのと、食事中にスタッフが部屋に入ることがないのが良いです。こちらは窓側から撮影したお部屋です。

宿泊したお部屋

広縁部分には床暖房完備。

床暖房付きの広縁

窓の外には有形文化財の指定を受けている本館を眺めることができます。

窓の外には本館。今は食事処として使われている

お部屋には洗面台とトイレがついています。トイレは入り口付近、洗面台は広縁にあり、水回りが離れているのは、少々使いづらい感じがします。

広縁にある洗面台

基礎化粧品は一通りそろっています。

基礎化粧品

お部屋にはコーヒーマシンがありました。コーヒー好きの私としては大変嬉しいサービスです。

コーヒーマシン

冷蔵庫の中にはウェルカムスイーツのシフォンケーキとサービスの柿ピーが入っていました。

冷蔵庫にはシフォンケーキ

タオル類はクローゼットの中にあります。湯籠ではないけれど、大浴場に行くのにタオルや着替えを入れられるバッグの用意もありました。浴衣はチェックインの時に自分に合うサイズの浴衣を選ぶ方式です。

お部屋のクローゼット

浴衣はチェックインの時に選ぶ

浴衣以外に館内着もあります。

館内着

お部屋の鍵は2人で泊まる時には2本貸してもらえます。

鍵は2本貸し出し

温泉

宿の大浴場は男女別に2か所ずつありま、嬉しいことに異なる泉質の温泉を楽しめます。どちらも滞在中は深夜時間帯も含めていつでも入浴可能です。チェックアウトが11時なので、朝食後にもう一度温泉を楽しむことも可能です。

洞窟の湯の大浴場

男女別にある大浴場で、それぞれ内湯と内湯からそのまま出られる露天風呂があります。男性用は2階、女性用は3階にあります。暖簾の先に階段が見えますが、館内はちょこちょこ階段があります。

洞窟の湯の女湯入り口

脱衣所は鍵付きのロッカー方式と鍵なしの籠の両方のタイプがありました。洗面台の奥には冷水器の用意もありました。

脱衣所

内湯の奥に露天風呂が見えます。どちらもそんなに大きくはないですが、混みあうことはありませんでした。

大浴場

周囲が林で囲まれているので、もう少しすると紅葉を眺めながらの入浴が楽しめるかもしれません。

木々を眺めながらの湯あみ

ただこちらのお湯は消毒のにおいが少々気になるお湯で、あまり私好みのお湯ではなかったです。なので、滞在中はずっと「薬湯」の方に入っていました。

成分表に記載の使用状況を見ると、加水はしていませんが、加温・循環・消毒ありとのこと。源泉の温度は10.7℃と低く、冷鉱泉と記載がありました。

洞窟の湯の成分表

傷に鎌先の「薬湯」

もう一つのお湯「薬湯」はいかにも温泉らしいお湯でした。鎌先温泉は傷に効くお湯として古くから多くの人を癒してきた温泉です。歴史ある温泉のお風呂は建物の一番低い所にあることが多いですが、薬湯も一番下にありました。

階段を下りて薬湯へ

こちらは男女別に入り口が並んでいます。男女の入れ替えはありません。写真で見ると、男性用の方がちょっと広く見えるので、両方楽しめるとさらに良いと思いました。

薬湯の入り口

女性用の脱衣所は狭くて3人いたらちょっと服を脱ぐのは大変かも。幸い私一人でした。

薬湯の脱衣所

浴室への入り口にはこんな素敵な貼り紙がされています。

薬湯は源泉かけ流し

タイル張りの浴室がレトロ感満載です。古くからある感じがとても良いです。

薬湯の女湯

湯口には温泉の成分が析出していて、いかにも古くからの温泉という感じがします。

湯口

湯温もちょうど良くて、長く入っていられました。滞在中はこちらのお湯を何度も楽しませていただきました。

薬湯の成分表はこちらです。泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉とのこと。源泉の温度が27.8度と低いので加温はしていますが、加水も循環も消毒もしていない温泉です。洞窟の湯よりずーっとずーっと温泉らしさを感じました。

薬湯の成分表

湯上り処

薬湯の前には湯上り処とライブラリーを兼ねたようなスペースがあります。冷蔵庫の中に冷たいお水が用意されていました。

薬湯の前の湯上り処

こちらには宿の歴史を紹介するパネルも展示してありました。一條旅館の歴史は古く、伊達家の時代からあったそうです。また有形文化財になっている本館の建築についてのパネルもありました。

宿の歴史を紹介するパネル

お食事

夕食・朝食ともに有形文化財の本館でいただきます。時間になるとスタッフの方がお部屋まで迎えに来てくれるシステムでした。

夕食

夕食はアップグレードプランでお願いしました。お品書きはこちらです。なんと、焼き物と鍋物はこの場でお肉か魚介かをチョイスできるシステムでした。2人で別々のものを注文するのもOKでした。

夕食のお品書き

食前者は自家製の梅酒と言うことで、それではいただきます。前菜がいろいろ並んでいて見た目も美しいです。

前菜

飲み物はノンアルコールのスパークリングがハーフボトルであったので、そちらをお願いしました。夫婦でだいたい2杯ずつ飲めました。

ノンアルコールのスパークリング

続いてお椀、お造りと順番に運ばれてきます。

お椀とお造り

続いて蓋物。

蓋物

この後の焼き物と鍋物は、お肉か魚かを選べます。私は両方ともお肉をチョイス。焼き物はステーキ、鍋物は牛のしゃぶしゃぶです。

和牛ステーキ

旦那さんは魚をチョイスしていました。鍋はブリしゃぶでした。

魚料理

最後にお食事とデザートが出て夕食は終了です。

お食事とデザート

朝食

朝食にもお品があります。宿のスタッフのお手製のイラストつきでとても素敵なお品書きです。

スタッフのお手製によるお品書き

イラストに描かれた通り、テーブルには仕切りで区切られたお料理箱が用意されています。

朝食

箱に入ったお料理以外にも、湯豆腐も。

湯豆腐

食後にははちみつ添えのヨーグルト、フルーツにコーヒーです。

はちみつヨーグルトが美味しかった

食事処は有形文化財の建物

夕食・朝食ともに食事処の個室でいただきますが、この食事処は木造一部4階建ての本館です。各個室はかつては旅館のお部屋でお客さんが泊まっていたのだと思います。廊下を歩くとギシギシときしむ音がします。

有形文化財の建物が食事処

窓枠に切り取られた紅葉もステキです。

窓の向こうの紅葉

外から見るとかなり立派な建築物なことがわかります。

有形文化財の建物

本館の一階部分には「一條旅館」という古い看板がありました。

古い「一條旅館」の看板

登録有形文化財のプレートも土台に掲げられていました。

登録有形文化財のプレート

宿の周辺を散策

鎌先温泉は歴史あるこじんまりした温泉という趣です。朝食前に宿周辺をお散歩しました。

湯主一條は他の旅館より少し高台に位置しているので、玄関前の坂を下って行きます。冬にこの坂がツルツルだとちょっと怖いかも。もちろん除雪は宿の方がされるそうです。

坂道を下る

坂を下まで下りると、最上屋旅館があります。日本の秘湯を守る会の会員宿です。

最上屋旅館

mogamiya.net

最上屋旅館の目の前にはカフェと地元の名産品を販売するショップがありました。ただ温泉街の中でお店と呼べるのはこのカフェくらいで、他に飲食店やお土産物屋さんはなさそうでした。

温泉街のカフェ

カフェの隣には旅館が共同で使用していると思われる駐車場がありました。ここには3軒の宿の名前がありますが、木村屋さんは休業なのか廃業なのか、今は営業されていないようです。

鎌先温泉の宿の共同駐車場

なお湯主一條の駐車場は別の場所に広いスペースが確保されています。マイカーの人も鉄道駅からの送迎の人も、こちらの駐車場で宿のミニバンに乗り換えて玄関まで送迎してもらいます。歩いても5分くらいなのでお天気がよければ荷物だけ運んでもらって徒歩で向かうということも可能です。EV車用の充電設備もあります。

湯主一條の専用駐車場

路線バスも本数は少ないですがあります。バス停には待合室もあり、中には本が並んでいました。

鎌先温泉のバス停

アクセス

公共交通機関で向かう場合、最寄りの駅は新幹線なら白石蔵王駅、在来線だと白石駅です。白石蔵王駅から白石駅を経由する事前予約制の送迎バスが運行されているので、私達はこの送迎バスを利用しました。駅から宿までは15分ほどなので、タクシーという選択肢もありそうです。

まとめ

私はこちらの宿が食事処として使っている木造多層階の建築に惹かれるものがあり、一度訪れてみたい温泉宿でした。「薬湯」は「傷は鎌先」と呼ばれるほど、古くから愛されてきた温泉だけあって、たいへんよいお湯でした。温泉宿の中には、チェックアウト時間よりも前から浴室の清掃に入ってしまい、朝食後はお風呂に入れない宿もたまにありますが、こちらの宿はチェックアウトギリギリまで、お風呂を使えるのも良かったです。お料理も美味しかったし、スタッフの皆さんも生き生きと働いている印象がありました。

今回は全体としては2泊3日で東北の紅葉と温泉を楽しむ旅として計画しました。前日は花巻温泉郷にある大沢温泉に宿泊しています。2晩ともに古くからの温泉を楽しむことができ良かったです。

www.frostmoonweb.com

 

にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ
にほんブログ村

  翻译: