「ザリガニパーティー」って何?
夏の風物詩、ザリガニ。
というと、「ああ、子どもの頃、池でザリガニ獲ったなあ」というのが日本にお住いの方の普通の感想かもしれません。
しかし、北欧・スウェーデンでは、ザリガニといえばザリガニパーティー。
ザリガニ漁が解禁になる8月になると、あちこちで家族や友達が集まってザリガニパーティーが催されます。老若男女、みんなが楽しみにしているお祭りなのです。
茹でたザリガニを山盛りにして、他の料理もいろいろ用意して、お酒を飲みながら楽しむ。
日本のザリガニとは違って、なんかオシャレ、かつ、おいしそう。
そんなザリガニパーティーが、今は日本でもできるそうなんですよ。
やってきたのは、IKEA(イケア) Tokyo-Bay。
JR南船橋駅から徒歩5分くらい。
駅を一歩出るとそこには緑の草原が広がり、青と黄色のカラーリングのイケアが映えすぎて、もうスウェーデンに来たのかと思うくらいの素敵な風景です。
しかし、ここは日本。ものすごく暑いです。(当日の最高気温36度!)
イケアでは、毎年8月に「ザリガニ フェスティバル」が行われています。
今年は8月8日から18日。期間中はレストランにさまざまなザリガニメニューが並びます。
そして、店舗限定で「クレイフィッシュ(ザリガニ)食べ放題」なるイベントも行われています。
これはまさに、ザリガニパーティー!
こんな手軽にザリガニパーティーができるチャンスを逃す手はありませんよ。
店内は本場スウェーデンさながらに、ザリガニフェスティバル用のデコレーションが施されています。
食べ放題の他にもザリガニメニューがあります。
▲頑張れザリガニ君!(199円)
商品化されるまで2年かかった新メニューだそうです。
きっとこの造形と表情に2年の努力が詰まっているのでしょう。
ザリガニ100匹食べられるか!? 食べ放題に挑戦
▲クレイフィッシュ(ザリガニ)食べ放題 (大人2,200円/12歳以下の子ども800円)
さて、筆者を含むザリガニパーティー御一行(平均年齢40代? 8名)は、予約しておいたザリガニパーティー専用席へ。
会場には山盛りのザリガニ!
上に乗っているハーブはディルです。
このディルの香りがスウェーデン流のザリガニ料理の特徴です。
色鮮やかです。
ザリガニ獲りに来た子どもなら、狂喜乱舞しそうな大漁です。
ドリンクコーナー、アルコールもあります。生ビール、ワインなど。
お酒を飲まない人は、ドリンクバー100円がとてもお得です。
ワクワクしながら席につく一行。
ザリガニ帽子とランチョンマット? が置いてありますが、このランチョンマットがちょっと変。
なんか、グルグルに切れ込みが入っているのです。
「何ですか、これ?」
店員さん:あ、これは、ですね、こうしてこうして、首に巻いてエプロンにしていただくんです。
なるほど、エプロンになるのですね。
左が幹事のKさん、右がイラストレーターの野崎さん。おそろいのザリガニコーデでキメてきた男性2名のフル装備完成です。
ザリガニ初体験のみどりちゃん。エプロンうまく巻けていない人もいますが、わくわく気分が高まります。
最年長のkimcafeさんはYoutuber。食べる様子も撮影していました。
kimcafeさん:100匹食べますよ!
今回のメンバーは、この平均年齢高めの8名(筆者は右端)。
大人なのに、充分すぎるほど大人なのに、ザリガニ食べ放題で高まってます。
食べ放題タイムは90分。さて、何匹食べられるのでしょうか?
各々、ザリガニをカウントしながら食べることにしました。
いよいよ「ザリパ」スタート
最初にドリンクを準備しましょう。イケアはドリンクバーもおしゃれなのです。ラズベリー、洋梨、リンゴンベリーなんてあります。一般的なドリンクやコーヒーもあります。
席につくと、前菜盛り合わせプレートが運ばれてきました。
これだけで、充分なつまみになりますね。イケアのサーモンとエビはおいしいのですよ。もちろん、スウェーデンといえばミートボールも。
さっそく、ザリガニを取りにいってみましょう。さっきよりもけっこう減っていますね。でも頻繁に補充してくれるので慌てなくても大丈夫です。
カウントしやすいように、1回に10匹、と決めて盛り付けることにしました。これは筆者の1回目。
なかなか大ぶりで、美しいザリガニですよ。
顔も可愛らしい。
さて、ザリガニを食べてみましょう。
そういえば、ザリガニってどうやって食べればいいんでしょうね?
ザリガニの食べ方って?
ザリガニの食べ方を知ってる人なんて、そういないですよね。
こちらにちゃんと食べ方の説明書がありました。
さらに、店員さんにわかりやすく実演していただきました。説明書の内容に合わせてご覧ください。
1.手をきれいに洗ったら、その手でザリガニのはさみの付け根の部分をねじるようにして外し、出てきた身を食べます。
店員さん:はさみの動く方を抜くのですが、ここで焦ると身が外れて中に残ってしまいます。静かにやさしくポキッと折って静かに外します。
静かにやさしく引き抜くとこのように身がついてきます。実はこの段階で店員さんは3回失敗。ちょっとコツがいるようです。
この身をおいしくいただいたら、
2.次に、外したはさみの部分を割り、中の身を食べます。
カニを食べる時と同じような感じですね。
3.一方の手で頭を、 もう一方の手で腹の部分をつかみ、ねじるようにして引き抜きます。
店員さん:ここもやさしく、ゆっくりした方がきれいに抜けます。
しっかり、身がついた状態で抜けました。
まずは、尻尾側のほうを食べます。
4.腹の部分を指できゅっとつまむと、殻が取れやすくなります。
5.殻を縦に割り、開きます。
このようにプリっとした身が出てきます。
6.中にある身を取り出して、さあ、召し上がれ!
7.お好みに応じて、殻の中にあるザリガニバターと呼ばれる味噌の部分を指で掻き出してお試しください。「うん、おいしい」というザリガニ好きの方は、さらに頭部をチューチューと吸って最後まで味わい尽くしてください。
店員さん: 頭部は、こういう風に2つに割ると食べやすいですよ。
見るからにおいしそうで期待が高まります。
ザリガニ100匹チャレンジの勝者は?
さて、筆者が店員さんに取材しているうちに、他のメンバーはどんどん食べ進めていました。
最初から飛ばしていたのはkimcafeさん。本気で100匹を狙ってきています。
kimcafeさん:もう10匹終わりましたよ! おかわりしてきますね。
私も急いで食べなくては!
さて、いただきましょう。
両手で写真を撮りながらザリガニはむけないので、この手は他のメンバーのです。
ザリガニの裏、エビですね。
うん、簡単にむけます。
見た目はエビと一緒ですね。
さて、お味。
おお、しっとりと柔らかく、エビの味に似ていておいしいです。
ザリガニの身が何に似ているかというと、エビ、という他ありません。
でも、エビにもいろいろありますよね。これは、しっとり柔らかく、甘みもある、おいしいエビです。
あ、そうだ。わかりやすくいうと、ロブスターのようなものです。
味付けも素晴らしい
また、味付けが良いのです。しっかりと染み込んだ塩味とディルの風味。
何もつけなくてもおいしくいただけます。ワインにもスナップス(スウェーデンの蒸留酒)にもバッチリ合います。もちろんビールにも。
ザリガニは、中国のマーラー味、普通の塩茹でなどいろいろな味付けで食べたことがありますが、個人的に一番好きなのはこのスウェーデン流です。
これなら、100匹くらいかんたんに食べられそうです。
もちろん頭部も味わい尽くします。けっこう身っぽい部分もついています。
これも、うまい。
カニ味噌のもっとクリーミーでクセがないバージョンといった感じ。スプーンでほじった後は、チューチュー吸っていただきました。
そうこうしているうちに、コンスタントにおかわりを重ねるkimcafeさん。
いつの間にか5皿目です。
みんながガンガン食べるので、タイミングによってはこんなに減っているザリガニ。
さて、こちらの野崎さんも100匹を目標に食べ続けています。
片手でバキッ!
片手でスポッ!
ザリガニのむき方が職人的になってきました。
いつの間にか30匹突破していました。
そして、食べ方は人それぞれ。女子の中にはこんな食べ方してる人もいました。
「たくさんむいて溜めてから一気に食べる」そうです。
ザリガニを食べていると無言になる
次におかわりに行ったら、ザリガニが再び山盛りに。
さあ、ザリガニパーティー盛り上がってきました!
といいたいところなのですが、ザリガニ食べ放題は、あれですよ、カニ食べ放題と同じなんですよ。
よくいうじゃないですか。
「カニを食べると無言になる」って。
全員、自分の世界に入り込んで、無言でひたすらザリガニをむき続け、食べ続けています。
いやでもこれ、ホント楽しいんですよ。とっても楽しいです。
でも、真剣にザリガニに向かい合っているので、話す余裕がないのです。
スウェーデン人はどうなんでしょうか? やっぱり無言でザリガニを食べ続けるのでしょうか? いや、以前読んだ記事ではそんなことはなかったはず。
みんな楽しく話したり歌ったりしていたはず。
子どもの頃からザリガニを食べ続けていると、ザリガニをむきながら談笑するという技を身につけられるのでしょうか?
いや、それにしても楽しい。
1匹むくたびにコツをつかんで段々上達するむき技。
個体によって違う身の入り方。そして味も個体毎に少しずつ違うのです。
五感をフルに活用しながらザリガニに立ち向かう。
楽しすぎます。
メンバーそれぞれ、自分の中で静かにザリガニパーティーを楽しんでいたのです。
食後にはドリンクバーでコーヒーをいただきました。
ここで、みんな堰を切ったように話し始めたのです。
「ザリガニ、思ってたよりずっとうまかった!」
「味噌、うまいのね。パスタにしたい」
「途中でオードブルについてたマヨネーズつけたら最高!」
「こうやって、ああやるとうまくむけるよね」
などなど。
さて、最終的に食べきったザリガニ数の発表です。
3位 Kさん 50匹
2位 野崎さん 60匹
1位 kimcafeさん 74匹!
筆者は残念なことに、28匹と惨敗。
しかし、普通に考えたらザリガニを28匹なんて充分過ぎる数ですよね。
みどりちゃんは25匹。他のメンバーはそれぞれ、30匹、19匹、美しくむくことにこだわってしまった人は15匹でした。
というわけで、テンション上がったまま、次々に顔ハメするメンバー。
怖い。
次々に。
すてきな夏の思い出になりました。
今年のIKEAのザリガニフェスティバルは終わってしまいましたが、来年の8月にはきっとまた開催されるはずです。
ザリガニを食べたことのない人、食わず嫌いの方はぜひ一度お試しを。そして、気に入ったらぜひ食べ放題を!
ザリガニパーティー、日本でも、個人的にも、夏の定番イベントにしたいです。
お店情報
IKEA(イケア) Tokyo-bay
住所:千葉県船橋市浜町2-3-30
電話番号:0570-013-900
営業時間:レストラン月~金 10:00~21:00、土・日・祝 8:30~21:00(L.O20:30)
定休日:1月1日