50代からでも、自分の大好きなことを探せるのか?

50代男が、大好きなことを探しはじめたらどうなるのか?

【読書】『人は、なぜ他人を許せないのか?』に見る他人をつるし上げる喜びの危険性

誰かを許せない!と感じたことがない人はいないと思います。
表に出さなかったとしても、「許せない!」と思ったことが無い人はいないでしょ。

たとえば、浮気、不倫、裏切り、最近では動画での差別的な表現など、悪いと感じることを探し出して、攻撃してしまう、ということを、何度も見たことがあるはずです。

 

人は、なぜ誰かを許せないと感じてしまうのか?

本書は、この謎を脳科学の立場から解き明かした1冊。
そもそも人の脳には、わかりやすい攻撃対象を見つけ、その人を罰することに快感を覚えるようにできているというのです。だから、自分は関係ない、ということはあり得ないということを、わかっておいたほうが良いわけ!

 

このブログでも何度か書いていますが、自分が正しい!とか自分は正義!と確信することは、非常に危険です。そして、間違っていると感じる人に、正義の制裁を加えてることを正当化してしまうわけです。そして「正義の制裁」を加えると、ドーパミンが放出されるので、すごく気持ちよくなってしまい、何度も繰り返そうとしてしまう、というわけです。本書では、これを「正義中毒」と表現していますが、正義なんだから、問題ないだろ!と思ってしまい、止める必要を感じなくなることが、さらに問題を拡大させてしまうのです。

 

ちなみに、この「正義中毒」がよく使う言葉があるそうです。
それが「バカ」。


実生活では使うことがほとんどない言葉ですが、SNS上では結構な頻度で目にする言葉ではないでしょうか?なぜこの言葉を使ってしまうのか?ですが、自分が絶対に正しいと思うから、異なる考えを持つ人をバカと決めつけるのだそうです。そして、「正義中毒」の人は、相手の意見の中にある正しいことを受け入れないため、とにかく人格攻撃になり、論議が成立しないという不毛な状態になっていくというのです。

 

じゃあ、どうすれば「正義中毒」から脱出できるのか?

まずできることとしては、相手を「許せない!」と感じたとき、ひと呼吸おいて、「自分は今、中毒症状が強くなっているな」と判断すること。たいてい、こういう怒りの感情は、瞬間的には強いですが、時間がたてば弱まるというのは、常識ですよね。あと面白いと思ったのは「昔はよかった」という気分に浸ることあったら要注意という話。これは、脳の前頭前野の老化のサインかもしれず、「正義中毒」と根が同じ可能性があるそうです。


個人的に注意しなきゃと思ったのは、

「自分にも他人にも「一貫性」を求めない

ということ。自分が正しいと思いこまないよう注意していますが、自分にも他者にも一貫性を求める傾向は強いなと思ったのです。その人の行動や言動に一貫性がないと、その人を信用できない、という観念が正しいことだと思っていたので、これからはこの部分も緩めたいと思います。

 

本書ではあまり扱っていませんでしたが、この「許さない」という感情から、たくさんの人が離れることができれば、世界はもっと平和になるのかもしれない、そう感じさせてくれた1冊でした。

 

中野信子(著)『人は、なぜ他人を許せないのか?』


ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
いいな、とおもったら、読者登録お願いします。

  翻译: