先々週のテレビで思わず涙したのがコレ。(T_T) あまりに感動したのでビデオを見ながらテキスト化しちゃいました!あの大震災の時、ディズニーランドで起きた一部始終とは?かなり長くなるけど全文を紹介しよう。
「Mr.サンデー」が入手した、118分の映像と387枚の写真から、今、日本に問われる危機管理の姿が見えてきた!
夢の記憶を記録していた。2:46 それらのカメラがとらえていたのは…。夢と魔法の国が一変した瞬間…。揺れるアトラクションの中、カメラは廻り続けた…。突然、音楽が止まりショーが中断…。
震度5強。開園以来最大の地震。その恐怖をシンデレラ城の前で味わった親子がいた。
「もうパレードが始まるよーって言って座っていようねって言って座ったらガタガタガタって…」 「花が吊るしてあって それもすごい揺れてたし みんなしゃがんで こんな押さえて みんなで固まって」
映像をよくみると 激しい映像の中 「頭を守って しゃがんでください」 すでに身を守るよう 呼びかける女性(キャスト)の姿が…
「まず私たちがパニックを起こさないことが一番大事だと思うので、ゲスト(来園者)の安全を考えることが一番重要なので」
また別の映像には、客の間を走り回る女性が。大量のぬいぐるみ(ダッフィー=ディズニーシーの人気キャラクター)を抱え戻ってくるスタッフ姿が映し出されている。
「ダッフィーを持って、お客さまにこれで頭を守って下さいと言ってお渡ししました。お客様は、皆さんこのようにして 頭の上にのせて 身を守っていました」
彼らは売りもののぬいぐるみを防災ずきん代わりに配っていた。映像には確かに、頭に乗せて避難する人たちの姿が映っている。
来援者たちが撮った多くの映像の中で冷静な行動を取る人々(キャスト) 「みなさま、どうぞお座りになってお待ちください!」 彼らは東京ディズニーリゾート全スタッフの9割にもおよぶアルバイト従業員だ。
あのとき、彼らが向き合ったのは、ランドとシー、二つのパークに集まった約7万人もの客だった。
今回の震災でとりわけ液状化現象が激しかった浦安市。それは東京ディズニーリゾート(TDR)とて例外ではなかった。 「めちゃへこんどる…。陥没しとる…。やっぱり すごい揺れだったんや…」
パークの正面に位置するJR舞浜駅も大きな被害を受けていた。当然電車はすべてストップ。TDRは「陸の孤島」と化していく。
しかし、この日園内にいたおよそ約1万人のスタッフは取り乱さなかった。いったいなぜなのか?あの日自らの判断でぬいぐるみを配ったアルバイトの樋口さんはいう。
「普段から防災訓練は行っていますので。お店の中にあるものを使っていいので、お客様の頭を守ってもらおうっていう意識はありました」
全スタッフが繰り返し受けていたという防災訓練。これは実際の映像だ。『頭を守って姿勢を低くして下さーい』すべてはゲストの安全のため。年間180回、つまり二日に一度はパークのどこかで本番さながらの訓練が行われているという。
また園内には専用の消防車2台を配備されている。「ファイアーキャスト」と呼ばれる従業員たちが24時間体制で園内の防火・防災を供えスタンバイしている。
1万人のスタッフをたばねたのは、地震発生直後およそ30分後の設置した「地震対策統括本部」。トップには社長自らが着き、組織のすみずみにまで届く指揮命令系統をいち早く築きあげた。
こうした一連の対応を危機管理のプロはどうみたのか。防災システム研究所・山村武彦所長はいう。
「TDRは、震度6強を想定していたんですね。そしてなおかつ10万人が入場者でいるときに地震が起こったらどうするかを決めていたんですね。その対策をし、準備をし、訓練をしていた。特に最悪を想定した対策をとっていた。これが私は非常に評価できると思いますね」
想定されていた災害。映像でも揺れからわずか40秒で場内アナウンスが流れはじめている。
『みなさまにお知らせいたします。ただいま地震がありました。建物のそばにいらっしゃる方は 建物から離れて 広いところでお待ち下さい』
安全確認のため、すべての建物から出された人々。その頭上には雨雲が広がりはじめていた…。そして雨が…。このときの気温、およそ10℃。これは一月から二月並みの寒さだ。
その頃撮影された映像には、不思議な映像が広がっている。青いゴミ袋から顔を出し身を包む人々…みやげものの袋を頭からかぶる人々…
「おみやげ袋、しかもかなりでかいサイズのおみやげ袋を無制限にみんなに配って、床に敷いてくださいとか頭からかぶってくださいとか…」
当日来園していたゲスト 「3月にしてはいやに寒い日でしたので、本当に助かりましたね、それは。これ息子に着せちゃったんですけど…(と、おみやげ袋を頭からかぶった写真を見せる)」
それもまたマニュアルにはないスタッフ自らの判断だ。ゲストを雨や寒さから守りたい。スタッフは使えそうなものならなんでも配った。普段は絶対、表に出さない段ボール、使い捨てのポリエチレン手袋…さらにはショップで販売していた売りものの菓子=クッキーやチョコレート、飴を無料で配布。
「これが頂いたお菓子の残りですね。まだ全部食べきってなくて。(番組スタッフ:「それぐらい皆さんに行き渡ように配ったんですか?」)かならず皆さんに配りますからその場をお立ちにならないでお待ち下さいみたいな。あれ、たぶん並んでやってたら大変なことになっていたと思うんですけど…」
実際にお菓子を配っていたスタッフはそのときのことをこう振り返る。
(番組スタッフ:「周りのお客からはお腹すいたみたいな訴えもあったんですか」) 「直接、お腹がすいたんですけというような訴えはなかったんですけど、実際、自分も空腹だったので、ゲストはもっとそうなんだろうなって思っていました」
空っぽになった売店。それは日ごろからスタッフが教えられていた哲学を象徴する光景だった。すべてはゲストの安全と安心のため。そのシンプルな哲学さえ守ればアルバイトであろうがマニュアルにとらわれず自分の頭で考え、実行すればよいのだ。
ある男性スタッフはじっと座りこむゲストにこう呼びかけた。
「ずっとしゃがんでいると、エコノミークラス症候群になっちゃうかもしれないから、皆さんちょっとでいいから ちょっとでいいから軽く運動しましょう こういう感じで」
またある者は、余震が続く中自らシャンデリアの下に立ち、客を危険から遠ざけた。「みなさん大丈夫です。僕はシャンデリアの妖精ですから、何があっても皆さんを守ります。大丈夫です」
地震の恐怖におびえる子供たちをこうして笑顔にしたものもいる。「みなさん、おみやげ袋お持ちですか?そしてもし皆さん もしよろしければこちらのおみやげ袋の中に 隠れミッキーがいるっていいうのはご存じですか…?」
明確な哲学の中、ひとりひとりが判断し動くことの強み。
だが園内に残った帰宅困難者は約2万人。日が暮れても復旧のめどがたたない鉄道は、来園者たちの心細さを募らせた。
「夜がちかづくにつれて このまま(ディズニーランドに)いられるのかどうかっていうのがちょっと不安…皆さんそうだと思うんですけど、不安に思ってたんですね」 「噂とかで 追い出されるみたいな話を聞いたりしたので…」
不安を抱える客が、安全確認された建物に誘導され始めたのは午後6時を回ったころだ。アトラクション内の通路、シアターの座席、レストランの床…。しかし、収容すべき人数はおよそ2万人…気温は4℃までに冷え込んだ屋外にはまだ多くの客が残され、ブルーシートの中で来園者たちが寒さをしのいでいた。
「ブルーシートのサンドイッチですね。ブルーシートを敷いてそこにいっぱい何十人もいて また上からみんなでかぶって」
急遽、彼らの緊急避難場所に決定したのは、ディズニーランドよりも早く安全確認が完了したディズニーシーだった。しかし、広大な敷地に広がる二つの園の移動には液状化で傷んだ危険な道を延々歩かさなければならない。そのとき統括本部が下した決断は、TDR開園28年目の歴史をくつがえすものだった。
「当時(震災時)ですね、こちらファンタジーランドには多くのお客様がいらっしゃいました。そのお客様をこの扉の向こう側(関係者専用)を通じて東京ディニーシーへご案内したということです。今まで決してないことですね。夢の王国を支えるバックが見えてしまいますので、本来はお客様には一切お見せしない場所になります」
本当に守るべきは前例ではなく、お客様の安全だった。来園者1500人が従業員専用通路を通ってディズニーシー側へ移動した。結局すべての客が屋内に避難したのは日付が変わってからのことだった。しかし、突然テーマパークで夜を明かすこととなった2万人の客から不安が消えることはない。
「売店ですとか そいういう所も 全部中止になってますので 食料とか水分どうしようかなとはちょっとそれは困りましたね」 「食事はもうずっと飲まず食わずですよね」
そんなとき配られたのは、ディズニーの世界には少々不似合いの「大豆ひじきご飯」だった。実はTDRには、約5万人の客が3〜4日過ごせるだけの非常食を備蓄されているという。あの日出されたのが、熱湯をかけ15分待てばすぐに食べられる「大豆ひじきご飯」だったのだ。そのぬくもりに思わずシャッターを切った女性はいう。
「あたたかいごはんだったのですごい助かりました。ホッとしました。まさかこういうものが頂けるとは思わなかったので、すごいビックリしました、はい」
さらに深夜になっても刻一刻と変化する交通情報を張り出し続けた。最新の情報が絶えず更新されることでひとつまた一つと消えていく人々の不安。こうして落ち着きを取り戻したパークは、2万人もの客を抱えたまま夜明けを迎えた。
翌朝、客たちは最後まで笑顔だったスタッフに見送られ家路に着いた。
「考えてみれば、キャスト(従業員)の方も我々と同じ被災しているわけですよね。ですけど全然嫌な顔をしていないっていうかずっと笑顔なんですよね」 「(キャストが)すごい頑張っていたから、何かすごい信頼できました。ありがとうって伝えたかった」
想定外…そんな言葉が免罪符のように使われる未曾有の大震災。しかし、それらすべてを想定内として受け止め、実行に移した組織がある。そこから見えた、今日本が問われ続ける危機管理のあるべき姿とは…。
すごいね…。絶対的な安心感があるね。こうなったら日本全体を夢と魔法の王国にしちゃったほうがいいかも!映像をご覧になりたいかたはこちらをどうぞ!(^v^)
Mr.サンデー 「7万人の命を守った誘導 ディズニー秘話 1/2
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