時鳥の鳴きつるは聞きつやと申しける人に
心のみ空に
なりつつ時鳥
人頼めなる
音こそ泣かるれ
(新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1047 )
「ほととぎすの鳴いたのは聞いたか」と申してきた人に
わたしは、心ばかりがうわの空になり続けていて、
お尋ねになったほととぎすのように、
頼みがいのないあなたが恨めしく、
声に出して泣けてくることです。
意訳
題詞;親しく付き合っていた男性と
逢えない日々が続いていた頃、
「ほととぎすの鳴き声(交際している彼の声)は聞きましたか?」と聞いてきた人に詠んだ歌
作者;馬内侍
(彼は来てくれません。)
しきりに
愛しい気持ちばかりが募ります。
落ち着かない気持ちだし
虚しくなってしまいます。
彼は
人に期待させるようなことを言って
実際は来てくれないので
私は
泣いて過ごしていますよ。
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