フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

【フードライターの仕事】柴田書店の看板誌『専門料理』最新号(2024年10月号)に執筆しました

食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。

飲食業界の専門誌『専門料理』の最新号(2024年10月1日発行)に執筆しました。

料理人や食のプロ向けの老舗雑誌。4月号から「温故知新ー新時代の日本料理を再定義ー」という連載記事(全4回)を担当しています。毎回、日本料理界のレジェンド・野﨑洋光さんのインタビューし、まとめます。

フードライターというと「話題のおいしいお店で食べて記事を書く」という仕事だけしかないと思われがちですが、こういう「料理人へのインタビュー」もよくある仕事の一つです。さらにこの記事では毎回、テーマに沿ったレシピも考えて作ってもらい、そのレシピも文章に起こし、原稿を作ります。

昨今の日本のレストラン業界全体の「豪華食材偏重主義に物申す」

今回は連載第3回目です(1回目、2回目はこちらをご覧ください)。

1回目は「世界中からいつでもあらゆる食材が手に入る現代で、料理人は『旬』をどう表現すればよいのか」。

2回目は「料理人が守るべき『伝統』とはなんなのか?(日本料理で江戸時代からの伝統的調理法を再現しようとすると、現代の忙しい現場は回らない)」。

と、それぞれ難しいお題でした。

さらに今回はレジェンド・野﨑さんからの「ウニ・イクラ・トリュフなど高級食材を乱用し、価格だけ釣り上げてお客に負担をかける、昨今のレストラン業界の『豪華食材偏重主義』に物申す」という、めちゃくちゃ難しいお題です。

野﨑さんには明確なご自身の意見があり、それを聞いて記事にまとめましたが、なかなかセンシティブなテーマでもあり……いろいろあって、今回は特に大変でした。

フードライターのインタビュー仕事

フードライターのインタビュー仕事は多いです。20年この仕事をやってきて、数百回じゃきかないくらい、いろいろ書いてきました。シェフ、店長、ソムリエ、パティシエ、バーテンダー、栄養士、料理学校の先生、飲食店企業の経営者、などなど……(詳しくは拙著『フードライターになろう!』を読んでいただければ)。

私は人の話(特に食にまつわる話)を聞くのが大好きで。それを文章に落とし込むのは得意なので、好きな仕事ですが……今回はセンシティブな話題な分、ちょっと難しかったですね。

そしてフードライターに限らず、職業ライターという仕事がもっと社会的に評価されてもいいんじゃないかと、今回の仕事で特に思いました。

話言葉を、起承転結など構成をつけて、紙に印刷される面白い読み物に作り変えるって、技術が必要です。

たとえば自分が通っていた高校の校長先生に、ご自身の教育への思いについて1時間半のインタビューを行い、1600字(原稿用紙4枚分)にまとめる。その読み物は、高校の生徒全員が読んで面白いと感じるものでなくてはならない。

なおかつインタビューされた校長先生本人も「私はこんなことは言ってない!」と一切不満に思わず、心から納得してもらえる内容で作り込む。当然、文章はよどみなくなめらかで、誤字脱字は許されない。

フードライターはこれを、ひっきりなしに料理しているプロに、現場で邪魔にならないように気をつけながら質問して面白い情報や考えを聞き出し、文章を作るのです。「今どこまで聞けたかな、次は何を質問しようか、原稿に必要な情報は足りてるかな」と常に頭はフル回転。結構ハイレベルな作業ですよね?

幸い、野﨑さんは私の書く文章は気に入ってくださっているようで「もう、浅野さんの記事は読んでいてホレボレしちゃうね」なんてほめてくださって嬉しかったですが……

書店で見ていただけたら嬉しいです。

それでは、今日も最高においしい1日を!

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