曇。 図書館から借りてきた、『吉本隆明全集27(1992-1994)』を読み終える。吉本さんの全集は通読ではなく、拾い読みしているだけであるが、本書はたぶん隅々まで読んだ。本書の執筆年代はちょうどわたしが学生のときに当たっていて、ここまで来ると同時代を生きたという感覚が強く、感慨におそわれる。吉本さんのファンというのは、その書いたもののファンと、吉本さんの人柄のファンと、両方いると思うが、わたしは書き物から滲み出る人格のファンなのかも知れない。 吉本さんをあまり読んだことのない人には、大理論書もいいけれど、吉本さんの片々たる文章をお勧めしたい。吉本さんの世界はすべてがつながっており、どこを読ん…