驚愕的に見とれる
CEATEC 2007で世界初の市販有機ELTVを見た。
有機ELは5年前に関連論文を読んだことにより、その当時のスーパースターであった液晶とプラズマ(現在でも主流)が、実は有機ELへの過渡期の商品であり、比較的短命に終わると思われた。当時の熱の籠ったその論文はやはり尋常ではない熱気があった。ディスプレイの本命中の本命が有機ELという訳だ。しかし、それ以降の展示会で試作品を幾つか見たが、今の携帯電話のディスプレイサイズくらいが辛うじて試作品としてあるのみで、量産商品化には今しばらく時間がかかると想像されていた。
しかし、流石、日の丸ハイテク飛行隊、世界のsony。こんなにも短期間に量産体制を整えて市販まで持ってきてしまった。こういうことをやらせると、やはり日本人の独壇場だ。システム化の上手さとチームワークの良さに加え、生真面目な職人的技術屋のDNAの血が沸き立つのだろう。法隆寺を造形した宮大工を彷彿とさせるプロフェッショナル集団。そのプロが作った造形画面の妖艶なまでの美しいこと。リアリズムの極致が表現される凝縮された空間は、しばし本当に見とれる。見とれるという愉悦を久々に味わった。水の流れるシーンがあったが、リアリズムを超越している。リアリズム以上にリアリティが実存している。感性をダイレクトにかきむしる映像だ。sonyのテクノロジー史から言えばトリニトロンに匹敵する画期だろう。「驚愕的にきれい」とのレポートがあったが言い得て妙。近くにあったsharpのAQUOSが力道山を映す昭和期の白黒テレビのようにも見えた。尤も、sharpのAQUOSは現在市販されている液晶中では最も美しい画面であり、個人的には愛用しているが。
CEATEC会場で、東芝、日立、松下、富士通、三菱、sharp、victorなど各社の技術者主任に有機ELTVの量産化の見通しを聞いたが、有機ELTVの市販商品化の期日を明言できる企業は皆無であった。
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