- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
大切に読み進んでいきたい本
2014/06/23 17:20
7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にゃんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
林真理子さんのこの手の本は初めて読みました。
時代背景等引き込まれていき、大切に読み進んでいきたいと思わせる本。
百連さんの女性としての苦悩の反面の華やかな世界。
伝衛門は百連と心かよわせたかったのか、どうなのか。
不器用な九州男。
愛は人を突き進ませるもの。
時代背景と心理描写の表現が豊か
2018/07/29 15:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りんごちゃん☆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
母が林真理子さんのファンで、私も30代になってから読むようになりました。その中でも白蓮れんれんが一番印象に残っています。切なく狂おしい男女の慕情、時代背景の描き方が非常に分かりやすくテンポ良く読み進められました。素人が評価するのは大変おこがましいのですが、兎にも角にも林真理子さんは文章が本当に上手いです。こんな風に文章を綴れたら、怖いものなしですね。
恋を知れば
2017/04/30 20:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雲絶間姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔から言われている言葉に「男は恋をしたら一瞬で少年に戻り、少女は恋をしたら1日で女になる」というのがある。まさにそれを納得させる恋の物語である。
この史実に基づいた小説を読むきっかけは、NHKの朝ドラ「花子とアン」だった。仲間由紀恵演ずる白蓮が余りに強く美しく魅了されたから。九州の炭鉱王を演じた吉田剛太郎のフラれる男の悲哀はTVの前で涙をそそられた。
駆け落ちが罪として罰せられ、姦通罪などという言葉のあった時代に、自分の熱い思いを貫きとおした柳原白蓮の物語、潔く気持ちの良い読後感である。
自分の幸せを追い求める強さ
2012/08/19 20:28
30人中、28人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桔梗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歌人・柳原白蓮の伝記小説
華族の家系に生まれ 才と美貌をもつ柳原白蓮
一度目の結婚が破綻したのち 炭鉱王との再婚をさせられる
妾やら先代の愛人の子やら養子やらで複雑な嫁ぎ先で 教養もなく気持ちの通わぬ夫と暮らす空虚な日々
魅力的な歌人・白蓮に憧憬の思いを抱き言い寄ってくる男たちと その虚しさを埋めるように恋愛もどきのやりとりを楽しんでいるうちに 本の出版に関わっていた7歳年下の宮崎龍介と出逢い本気の恋に落ちる
そして富も地位も夫も 持ってたものを全部捨てて 命がけの駆け落ち―
まだ姦通罪なんてものがある大正時代
女性が自由に生きるのが困難だった時代に 幸せをつかむために自分の思いを貫き通したこの女性の強さに感嘆
傍から見たら決してきれいな人生ではないだろう
実際 ふたりで逃げてからも 白蓮は実家に連れ戻され軟禁されたり 宮崎が病をかかえたり 息子も戦死したり
相当の苦労をしているし 当時の新聞でもかなりバッシングされている
それでも 白蓮が亡くなった時
宮崎は「うちに来てからは幸せな人生だった」ときっぱりと言っている
ふたりはきっと幸せだったのだろうと思う
ふたりがお互い大事にとっておいた往復書簡は700通にもおよぶそう
手紙の中の文字のひとつひとつに
目には見えない想いも残されているようで
いつでもその想いを確かめられるようで 羨ましく思える
小説化された白蓮事件
2024/11/27 16:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:森の爺さん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は大正三美人の一人と呼ばれ、筑豊の炭鉱王伊藤伝右衛門の妻であった歌人柳原白蓮が年下の青年宮崎龍介と駆け落ちした「白蓮事件」を題材として、現在大学総長を勤められている著者により書かれた小説である。
私が白蓮事件について初めて読んだ著書は、永畑道子著「恋の華 白蓮事件」であるが内容はノンフィクションであり、小説としては本書以外には読んでいない。 柳原白蓮については、数年前のNHK朝ドラ「花子とアン」で主人公村岡花子の東洋英和女学校の学友として仲間由紀恵が演じ、久しぶりに脚光を浴びたが、雑誌で伊藤家の子孫と当時はご存命だった白蓮の娘さんが対談しているのを読んで時の流れを感じたものである。
柳原白蓮については、柳原伯爵家出身(生母は柳橋の芸者)であり、大正天皇の生母である柳原愛子は叔母というのを抜きにしては語れない。 華族と成り上がりの結婚(両者とも再婚)は、柳原家・伝右衛門双方にとって最悪の結果に終わるが、無学文盲でありながら一代で大富豪に上り詰めた伝右衛門が名門とのつながりを欲したのは理解するが、相手との相性が悪かったとしか言いようが無い。
どうせ華族の女性を妻にするなら、名誉だけの貧乏に飽き飽きして成り上がり相手でも結構という相手を探すべきだったと思う。 白蓮に気を使って贅沢三昧をさせたが、その生活が白蓮とって満ち足りないものだった一方、伝右衛門の女性関係の中には白蓮が伝右衛門の相手をするのが嫌な余りスカウトした妾も存在するのも事実である。 事件後、血の気が多い川筋者達を抑え「末代まで一言の弁明も無用」としたのも、相手が皇室につながる白蓮だったからだと想定さるものの、対処については見事であるだけに再婚相手の選択を誤った感が強い。
白蓮が滞在先の東京で出奔し、新聞紙上に伝右衛門との絶縁状を公開したのも、宮崎龍介の子供を宿していた白蓮側は当時存在した姦通罪から逃れるための手段だったと想定されるが、本書においては白蓮が龍介の子供を宿したのは2回目で、最初は堕胎しているとなっている。 また、同じく大正三美人の一人である歌人九条武子(夫は貞明皇后(大正天皇の皇后)の弟)を秘めたる恋の同士として登場させており、バッシングを受けながら恋を成就させた白蓮と騒ぎを見て諦めた武子とを対比し、また、伝右衛門の異母妹である初枝の実らぬ恋とその人生の終末に、恋の勝者の認識が無い白蓮が見舞う設定になっている。
出奔後柳原家により宮崎龍介と引き離された関東大震災後に白蓮がようやく結婚したものの、宮崎家は中国革命の支援者であった義父滔天の残した莫大な借金があり、かつ夫龍介も結核で病床に伏す状況で、宮崎家の生計が歌人白蓮の肩かかる生活は、伊藤家における贅沢三昧とは対極だった筈だが、本人にとってはその方が幸福だったのである。
本書においても、永畑氏の著書においても余り触れられていないが、昭和天皇の侍従長を長く務めた入江相政(母親は白蓮の異母姉)の日記には、秩父宮妃勢津子(会津松平家出身)の母親である松平信子(当時女子学習院の同窓会である常盤会の会長)と白蓮が、現在の上皇陛下と上皇后美智子様とのご成婚に反対して絶対反対を唱えて愛国団体に働きかけたという趣旨の内容がある。
つまり、平民と駆け落ちして、夫が戦後日本社会党の結成に参加し、息子の戦死で戦後は平和運動に熱心に取り組んでも、皇室に平民の娘が嫁ぐのは許せないというのは、やはり旧華族の出身、かつ皇室とも血縁があることを生涯の誇りとしていた人物だったということを抜きにして語れないと考える。
柳原白蓮
2022/02/24 20:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
名前しか知らなかったので、駆け落ち後も上手く行くのか、別れてしまうのではないかとドキドキしながら読みました。読み応えがありとても楽しめます。
ままならぬ女性の悲哀
2018/12/02 17:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:扇町みつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKの朝ドラ「花子とアン」で知った柳原白蓮の物語ということで読んでみた。
朝ドラのイメージが強いので、白蓮は仲間由紀恵、炭鉱王は吉田鋼太郎で脳内再生された。
筑豊の石炭王のところに嫁ぐところから、駆け落ちするところまでが主になっている。駆け落ち相手との実際の書簡を読み執筆したせいか、30代半ばで初めて恋に落ち、手紙をやり取りするうちに段々と燃え上がっていく様がとても濃密に描かれていた。
高貴な生まれゆえの不幸、そして女性が自分の人生を自分で決められなかった時代の悲哀も伝わってきた。
生活力あるお嬢様
2018/07/12 15:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tomoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHK朝の連続ドラマ「花子とアン」で白蓮について知り、本を探していて見つけた一冊。
天皇家にもつながる家柄でありながら、あの時代に不倫でかけおちするという大胆さによって知られたようだが、私はかけおち結婚した後、結核で療養する夫の代わりに生活を支えるため、身につけた教養の才を発揮し、小説・歌集を書いたり、講演を行ったりと、生活力があるお嬢様である点に惹かれる。
人物伝は異なる著者が書いたものを何冊か読み比べると、自分なりの像をつくることができる。そのうちの一冊として読みやすいと思う。
引き込まれました。
2015/09/25 13:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:気まま - この投稿者のレビュー一覧を見る
林真理子さんのさすがの表現力に引き込まれ、あっという間に読み終えてしまいました。きれいごとではなく、登場人物には生身の人間臭さが感じられ、大変伝わってきました。お勧めです。
勉強になりました
2015/08/26 22:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロケロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
白蓮さんのお話は何となくは知っていましたが、これを読んでよくわかりました。大事件だったのだろうなぁと改めて思いました。
その時代のこともわかって勉強になりましたが、読み終わるまで時間がかかりました。
この物語に描かれた白蓮は、とにかくドロドロと濃い生き方でした。
2020/10/08 14:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKの朝ドラ「花子とアン」がなかったら、たぶん手に取らなかっただろう1冊。そういや、白蓮ってどんなひとだったんだろうと読み始める。
普通、映像を先にみてしまうと、その役者を当てはめて読み進む羽目になるのだが、本書の白蓮こと柳原あき子に、TVでその役を演じた仲間由紀恵さんをあてて読むコトはまったくなかった。もう別人過ぎ。本当の白蓮は、もっとずっとドロドロとした生き方をしたヒト。だからこそ、最終章の最後の最後のセリフ「私はあきらめなかったもの」「私、頑張ったもの。本当に本当に頑張ったもの。死ぬよりつらいことがたくさんあったけど負けなかったわ」が効いてくる。TVドラマではかなり濃いキャラクターだと思ってたけど、本書を読んだ後だと、あの朝ドラの白蓮は、やっぱ朝ド風の爽やかさ健全さだったと思うほどです。