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とかげ
2001/05/20 00:13
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投稿者:なお - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の衝撃的なプロポーズに対して、長い沈黙の後とかげはこう言った。「秘密があるの」——。幼い頃遭遇したある事件がもとで、長い間目の見えなかったことのあるとかげ。そのとかげにどうしようもなく惹かれてゆく私。心に刻まれた痛みを抱えながら生きてきたカップルの再生の物語「とかげ」。運命的な出会いと別れの中に、ゆるやかな癒しの時間が流れる6編のショート・ストーリー。
再読
2023/05/01 19:14
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投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前に読んだことがあって、機会があったため再読。
吉本ばななさんの書く文章が、実は私は好きではない。
選ぶ単語などが、私と違うのだろう。
短編集だから読みやすいはずなのに、読むとどっと疲れるのだ。
なのについ読んでしまう。たぶん説明のつかない魅力があるのだろう。
とかげ
2020/01/07 14:05
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んだときは衝撃を受けた話もありましたが、今はなにも残っていません・・・。何故かはわかりませんが、初期のころの方が好きでした。
古さは感じない
2018/09/18 08:54
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
初見の作家さんです。
30年前に「キッチン」で話題になっていた頃から知ってはいたのですが、
何故かこれまでに短編の一つ、エッセイの一つも読んできませんでした。
今回どうして今さら読んでみる気になったのか?
正直なところわかりません。
6編からなる短編集。
穏やかなのか激しいのか
日常のことなのか非日常のことなのか
私の理解力では判断がつかないような物語と主人公でした。
かと言って難解という感じでもないですし、
先へ先へページを捲る気持ちにさせるものがありました。
さて、他の吉本ばなな氏の作品を読むかどうかは思案中です。
読むのなら精神的に余裕のあるときにしようとは思っています。
自分の平凡さに感謝したくなる気持ちと、少し羨ましい気持ちとが交錯する
2002/07/19 22:00
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投稿者:ばんばん - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんだか辛い人生をおくってるなあ、みんな。
自分の平凡な人生に比べるとそう思う。
一番共感できるのは、中吊り小説にも収録されていた「新婚さん」。恋愛の続きである結婚の、しかも始まりの時期、新婚生活の幸せと不安を非現実を絡めて描いている。
しかし、強烈に惹かれるのは「とかげ」と「大川端奇譚」だった。
とかげは、強烈に惹かれあう理屈のない感覚と、類は友を呼ぶというのを考えさせられた。
大川端奇譚は、中の一言「だいたい失礼だけど、一度でも寝れば、どのくらい経験があるかわかるものだよ。」という台詞に撃たれた。
書評タイトルどおり、自分の平凡さに感謝したくなる気持ちと、少し羨ましい気持ちとが交錯する1冊だ。
「大川端奇譚」は面白かった
2002/04/03 10:20
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投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「新婚さん」は、川上弘美的なファンタジー。こういうのは川上の方がずっとうまいと思う。「とかげ」「らせん」「キムチの夢」「血と水」は内容をほとんど覚えていない。すいすい読めるのは確かだが。心に残っているのは「大川端奇譚」。大雑把に言えばかつて乱交してた女をフィアンセが許すって話だけど、こういう肉体的なもの・女の生理のようなものが出た小説が、吉本ばななの中では好き。
ということで、「体は全部知っている」の方が僕は好きだし、完成度も高いと思う。
6つの物語
2017/11/04 15:54
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投稿者:まさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会に出て数年、恋愛や結婚、独立や転職。色んな節目をそれなりに経験して、毎日をそれなりに送っている。人生を悟る程歳を重ねてはいないし、でももっと若かったころみたいに無鉄砲には飛び出せない。
そんなもだもだした思いを抱えている方に、ふとした何かを気付かせてくれる、癒しにつながるきっかけをくれる、そんな6つの飴玉のようなお話。
「癒し」と「ホラー」の境目に見えるもの
2002/02/17 13:17
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投稿者:楓 - この投稿者のレビュー一覧を見る
6つの物語が収められている短編集です。どれも、ホラーの要素を持ちながら、著者いわく「時間」「癒し」「宿命」「運命」についてかかれたものです。
中でも印象深かったのは表題作の「とかげ」でした。「私」は恋人「とかげ」にプロポーズをするのですが、その時「とかげ」が秘密を打ち明け始め、二人はお互いに傷を隠し持っていたことに気付きます。思い出を語るように二人は身らの過去を語るのです。最後にはちゃんと「癒し」が用意されているのですが、痛い話ではあります。
傷を癒す、ということは痛みをともなうものですから、当然、そういった苦しみや暗さも作中にはきちんと書かれています。しかし、文章の雰囲気は決して暗くはなく、透明感というか、ある種の悟りのようなものすら感じる気がします。洗練度は☆5個であらわすと文句なしに★★★★★ですね。この頃の吉本氏の文章は、すでに安定してきており、安心して読めます。
愛
2001/12/23 13:30
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投稿者:カノン - この投稿者のレビュー一覧を見る
とかげの秘密とわたし(主人公)の秘密。傷を抱えながら生きてきた二人。それでも愛することを忘れない二人は強いと思う。
よしもとばななの“あふれる想い”
2003/04/25 17:25
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投稿者:山 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なにを今さら『とかげ』なの、といわれそうだが、つい読み返したら気づいたことがあって、それは“あふれる想い”ということで、よしもとばななの小説は「小説というコップから溢れた水=想い」でできていることを初めて知った。ストーリー(コップ)なんか、きっとどうでもいいのだ。モノローグで語られるその無尽蔵にあふれる「想い」は、たとえば「なんで人を殺してはいけないのですか」「どうして援助交際がいけないことなの」という手垢のついた疑問への回答にもなっているし、女性(男も似たようなものだが、やはり根本的に違うのじゃないか?)という生き物の「感情の構造」を解き明かしているようにも感じた。
男はきっとコップの中でしか“想わない”し、想えないのだと思う。女性の想いはユングの集合的無意識のようにわけがわからず縦横無尽につながる根を這い、たとえばオフィスで働いていても突如、火星に現れたり、十年前の高校生に転化したり、死ぬこともできる。それに法則じみたものはなく、いや当事者には「感情の動き」の傾向はあるだろうが、直面する現実によって有為転変し、つねに「現実を生きているのではなく、“想い”を生きている」(ちなみにカッコ内が小説に書いてあるという意味ではないです)。
不可解な言動で「彼女(他人)」のことが理解できなくなる、そんなときの「他人」は“想っている”のだと、この小説をよんで如実に判った。恋愛中は、とくに頻繁に“想うもの”らしいし、どうやら“あふれている”ときは、そのことに気づかない傾向にあるらしい。
イタリア人に読まれているのも普遍的な“あふれ方”をした小説だからと思えば理解できるし、村上春樹派から発して“あふれ派”という唯一無比の道を切り開いたのだと、そんなことを勝手に“想い”ました。
世界のさみしさの中で。
2002/05/15 14:18
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投稿者:猫山まどか - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんなひどいことでも起こり得る、世界のさみしさ。
幼い頃の事件でそんな世界に放り出され、世界の持つさみしさや闇の匂いを知ってしまった二人は惹かれあう。そしてそんな世界であっても、美味い物を食べたり、天気がいい日にいい気分にもなったりできる。二人はそうやって生きていこうと願う。
一点のかげりもなく『幸福』でなくても大丈夫。それは涙がにじむ様に出るほどに、ほっとさせられた。
そんな静かなやわらかさの中で、私は生きていきたい。