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解説
2019/01/20 17:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
名画の解説本としてはすごく面白かったです。
どういう見方をしていいかわからなかったのですが、これ読むとすごくわかりやすいです。
単行本版・文庫本版・電子版すべて所持しています
2017/12/15 12:56
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本版を持っていましたが、のちに文庫版が発売され、
2編追加収録(ダービー「空気ポンプの実験」、ゴッホ「自画像」)になっているということで文庫版も購入。
そののち、「持ち運べるとうれしいなあ」と思うようになり、電子版も購入しました。
冒頭に、電子版にはフランシス・ベーコン「ベラスケス〈教皇インノケンティウス十世像〉による習作」、
岸田劉生「切通之写生」 の2点が収録されていない旨記載があります。
これで「収録されていない話が2つもあるなんて」と思ってしまっていましたが、
読み進めてみると、「ベラスケス」の方は、メインの画像こそ収録されていないものの、
ベーコン作品の元になった絵画は収録されています。
また、岸田劉生「切通之写生」に関しては、「怖い絵」の題材になっている
(章立てとして取り上げられている絵画)というわけではなく、本文の中で出てくる参考画像(派生話)ですので、
あまり気にしなくてもいいかもしれません。
ただし、ベーコンの「ベラスケス〈教皇インノケンティウス十世像〉」は「見ないと想像しにくい、見ると背筋が凍る」作品なので、
ぜひ検索するなりして、画像を見てから本文を読むことをおすすめします。
また、単行本版と文庫版では収録順序(本の構成)ががらりと異なっており、
表紙になっているラ・トゥールの「いかさま師」は、単行本版では大トリを務めている一方、
文庫版では冒頭にきています。
好みはあるかと思いますが、文庫版・電子版でラ・トゥール、ドガ、ダヴィッドなどが初めの方に収録されているのは、
この本を書こうと思ったきっかけとなっている作品たち(そして表紙に選ばれている作品)だからと思われ、
そういった作品群が前半に収録されている方が、個人的にはしっくりくるなと感じました。
中野さんがこの「怖い絵」シリーズを書こうと思ったきっかけとなっていると明言しているのは、
ドガの「エトワール、または舞台の踊り子」、ダヴィッド「マリー・アントワネット最後の肖像」です。
上野で開催された『怖い絵』展を観て、吉田羊さんのオーディオコメンタリーを聴いた/解説文を
すみずみまで読んだという方は、文庫版から入るのが展示との関連性を感じやすいかもしれません。
また、文庫版・電子版には逢坂剛さんの解説が入っているのですが、
これがなかなか「中野京子マニア」にとってはうれしいおまけ話となっています。
中野さんが実は逢坂さんが選考委員を務めるオール読物推理小説新人賞に応募して最終選考に残っていた件などは、
なるほどこれが中野さんの文章が面白い&絵画に対する、時に探偵のような考察の秘密か、とうなずかされます。
文庫版・電子版に追加になった2本の作品のうち、ゴッホの「自画像」内の描写は特に、目を瞠るものがあります。
1966年製作の映画『将軍たちの夜』が紹介されているのですが、
そのあらすじに引き込まれつついたところ、突然ゴッホ「自画像」が現れます。
この文章を読むためだけでも、文庫版・電子版を購入する価値ありと思わせるほどの構成です。
電子版が単行本版、文庫版より優れていることに、収録されている作品は全てカラーで見る事ができます。
どうしてもモノクロ印刷や、カラー印刷ですら潰れがちな細部も、
データなら拡大してつぶさに観察する事ができます。
無論単行本版のように大きな画像をいつでも気になった時に、
文章を読みながらチラチラと眺めることは難しいのですが(やってやれないことはないけれど、かなり気が散る)…。
見た目からは想像もつかない絵画の真相。
2015/09/26 21:42
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴヤ・ティントレット・ボッティチェリ・ブリューゲルなど超有名画家からそれほどでもない画家まで、20点の絵画を取り上げて解説した本。一目見るだけなら華やかだったり不気味だったり不思議だったり色々な印象を受けるが、画家の人生や立場・時代背景・絵の画題やモティーフなどなど細かく見てみると、見た目からは想像もつかない意外な裏が明らかになる。絵画のおもしろさが分かる一冊だと思う。
エピソードはおもしろい
2021/04/18 06:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Ladybird - この投稿者のレビュー一覧を見る
有名作品も、こんな絵画あるんだ?見たいな作品も紹介されています。
エピソードとしては、面白かったのですが、電子版で読むと当該の絵を、もう一度見る時に、不都合はあります。
紙の本だったら、栞を挟んで、説明文からすぐに絵を参照できるのに、電子版はページを繰ることになります。
図版などの見る本は、紙の本がよいですね。
おもしろい
2017/01/22 15:20
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投稿者:温泉に行きたい - この投稿者のレビュー一覧を見る
この絵にこんな意味や背景があったのか。と知ることができる一冊です。非常に有名な絵もあればそれほど有名ではない絵もありますがそれぞれに興味深いエピソードが書かれています。続編が出たら読んでみたい本です。
興味深い絵の数々
2016/12/23 12:05
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
最も怖い絵と言われるゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」は確かに怖い。理性など吹き飛んだ恐怖、自らの子を食い殺しているサトゥルヌスの自分自身への恐怖を描きだしたゴヤも怖い。他にユーディトを描いた殺人現場そのもののアルテミジアの絵と比較されたカラヴァッジョが妙に印象に残っている。びくびくした弱々しい女にわざわざ首を切られてやっているようにしか見えない男の図。こんな絵が描かれて残ってきた事実はちと怖い。
いろんな絵の見方を紹介した本
2019/01/20 13:30
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ルネサンス期の作品など、22の絵を解説。一見どこが怖いん?というものから、明らかに怖そうな作品まで、幅広く紹介しており、この絵ってこういう見方をするんやと思ったり、歴史的な背景も知れたりとなんか得した気分になりました。
絵の真相
2017/10/27 23:47
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投稿者:ぱぱちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
有名な絵の中に奥深い真相があることを知りました。絵の背景を知ると,美術館などで絵を楽しむときの参考になります。絵を見る前の予習に使うといいような感じです。
絵画に対する造詣が深くなくても
2016/12/01 14:25
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投稿者:冬みかん - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵画芸術は本当に表面的にしか知りませんがそれでも引き込まれるようなすごみがありました。惜しむらくは手に取ったのが文庫だったため掲載された絵が小さいこと。普通の単行本のほうが幾分大きいのでそちらを手に取る方がいいかもしれない。
絵っておもしろいなぁ
2020/04/24 20:40
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投稿者:ゆきき - この投稿者のレビュー一覧を見る
素直に、絵っておもしろいなぁ。美しいなぁ。そう思うことができる一冊です。
読んだ後には、きっと美術館に行きたくなるはずです。
最高に面白い
2019/10/08 20:04
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
怖い絵なんかわざわざ見たくないなどと思っていましたが、これは面白いです。この本でヘンリー8世を知り、イギリスの歴史に興味が出てきました。
「怖い絵」展を見て購入しました
2017/12/04 13:48
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投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまでの絵画鑑賞と違い、しっかりと解説を読みました。その絵の時代背景、隠された物語を知って絵を見ると、その絵は「違う顔」を見せるのです。知らなければ怖くもなんともない絵でも、知れば背後にある「闇」を見ることになります。絵画鑑賞の新たな視点を開く本です。
15年以上にわたって読みついできた中野氏の著作の原点
2025/01/01 10:00
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投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまでも幾度となく目にしてきたはずの西洋絵画の中に、日本で普通に市民生活をしていると全く気づくことなく過ぎてしまう恐怖が潜んでいる。その恐怖のひとつひとつを丁寧につまびらかにしてくれる著者の筆致に魅了されます。
ドガが好んで描いた踊り子たちが、上流階級の男たちを相手にしていた娼婦であったという19世紀のパリの現実。
ブリューゲルの「絞首台の上のかささぎ」に描かれた鳥のかささぎが、16世紀ネーデルラントに吹き荒れた反宗教改革の中で奨励された密告制度を表しているというのにも、おもわず膝を打ちました。あの絵をかつて目にしたときに、絞首台の恐ろしさにはさすがに気づきましたが、その台にそっととまった鳥のアレゴリーを今回初めて知り、やはり絵画を「学ぶ」ことの必要性を感じないではいられません。
◇クノップフ「見捨てられた街」
「この絵の何が怖いかといえば、思い出に囚われたまま滅びゆこうとする人の心が伝わってくるからだ。もはや先へ進むことはできず、かといって過ぎ去った昔にはもどれない。決して再現されることのない過去を前に、ただ立ちつくす。過去の遺物がすでに死を内包しているのはわかっていても、それでもどうしようもなく恋着し続ける。」(54頁)
◇ラ・トゥール『いかさま師』(1635年)
:いかさま師集団の一員である女性が頭に巻いたターバンは淡い黄色。これは裏切り者ユダの色とされ、中世にはユダの衣装を描くときに用いられた。
◇ホガース『グラハム家の子どもたち』(1742年)
:ご機嫌な様子の男の子(長男)が抱える「楽器」は「悪徳」のシンボル。彼が眺める籠にいる「鳥」は英語で女の子を意味する。つまり彼が長じた暁には陽気な遊び人になるだろうと言わんばかりの絵。
◇ホルバイン『ヘンリー八世』(1536年)
:体の向きは心持ち斜めだが顔は真正面を向いている。フロンタルビュー(正面視)はモデルの神格化、記念碑的な作用をもたらす。
リネンの下着が服の前身ごろと袖のスリットからのぞいているが、リネンの下着は財産目録に載るほど貴重だった。
◇ジェリコー『メデューズ号の筏』(1819年)
:ウィーン体制下でブルボン朝が復活したフランスで起きた海難事故を描いていることは記憶していましたが、新王ルイ18世が、単に亡命貴族だったというだけで海軍中佐に起用したショマレー伯爵が犯した失態によって発生した事故であり、なおかつ、伯爵ら上級士官はいち早く救命ボートで逃げ出した一方、絵に描かれた商人階層が大勢犠牲になったという実相についてはすっかり忘れていました。
つまりこれは、自由と平等を謳ったフランス革命以前の体制へと復すことを目論んだウィーン体制における階級格差が痛烈に批判されているというわけです。
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中野氏の著作に刺激を受けて西洋絵画を通じて西洋の歩みを学んできたからこそ、私もそれなりの知識を身につけてきました。そのために、気がついてしまったこの書の誤りを以下に記しておきます。
*112-113頁:ゴヤ『我が子を喰らうサトゥルヌス』の章に次の記述があります。
「サトゥルヌス(=クロノス)とは、ギリシャ・ローマ神話における農耕神であり、また「時」をつかさどる神である。
これは間違い。
ギリシャ・ローマ神話にはクロノスと片仮名表記される神が2種類存在します。
ひとつは農耕の神「クロノス(Kronos)」で、もうひとつは時間の神「クロノス(Khronos)」。綴りが異なりますので、注意が必要です。
そしてゴヤが描いたサトゥルヌスは農耕の神の「クロノス(Kronos)」のほう。
2023年に15年ぶりの再読
2024/03/05 17:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
私はこの書の単行本版(朝日出版社)を2008年に読み、その年の8月24日に「もっと絵画を知りたいと思わせる一冊」と題して、以下のレビューを書いたことがあります。
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読む順序が前後してしまいましたが、「怖い絵2」を先に手にとり、あまりの面白さに正編をあらためて手にした次第です。
これまでも幾度となく目にしてきたはずの西洋絵画の中に、日本で普通に市民生活をしていると全く気づくことなく過ぎてしまう恐怖が潜んでいる。その恐怖のひとつひとつを丁寧につまびらかにしてくれる著者の筆致に魅了されます。
ドガが好んで描いた踊り子たちが、上流階級の男たちを相手にしていた娼婦であったという19世紀のパリの現実。
ブリューゲルの「絞首台の上のかささぎ」に描かれた鳥のかささぎが、16世紀ネーデルラントに吹き荒れた反宗教改革の中で奨励された密告制度を表しているというのにも、おもわず膝を打ちました。あの絵をかつて目にしたときに、絞首台の恐ろしさにはさすがに気づきましたが、その台にそっととまった鳥のアレゴリーを今回初めて知り、やはり絵画を「学ぶ」ことの必要性を感じないではいられません。
クノップフ「見捨てられた街」を解釈した次のくだりは、著者の綴る甘美な言葉に酔いしれます。
「この絵の何が怖いかといえば、思い出に囚われたまま滅びゆこうとする人の心が伝わってくるからだ。もはや先へ進むことはできず、かといって過ぎ去った昔にはもどれない。決して再現されることのない過去を前に、ただ立ちつくす。過去の遺物がすでに死を内包しているのはわかっていても、それでもどうしようもなく恋着し続ける。」(54頁)
クノップフの幻想的な絵画作品の奥に隠れたものをきちんととらえてそれを言葉にする。こうした言葉を綴ることのできる著者をうらやましく思いながらの読書でした。
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以来、15年にわたって中野京子氏の著作を次々と読み、西洋の絵画を味わう方法、そして西洋が歩んできた政治・経済・文化の歴史をどん欲に学んできました。
それでもまだこの書には新たに教えられた思いがすることがありました。
◇ラ・トゥール『いかさま師』(1635年)
:いかさま師集団の一員である女性が頭に巻いたターバンは淡い黄色。これは裏切り者ユダの色とされ、中世にはユダの衣装を描くときに用いられた。
◇ホガース『グラハム家の子どもたち』(1742年)
:ご機嫌な様子の男の子(長男)が抱える「楽器」は「悪徳」のシンボル。彼が眺める籠にいる「鳥」は英語で女の子を意味する。つまり彼が長じた暁には陽気な遊び人になるだろうと言わんばかりの絵。
---------------
上述したとおり、中野氏の著作に刺激を受けて西洋絵画を通じて西洋の歩みを学んできたからこそ、私もそれなりの知識を身につけてきました。そのために、気がついてしまったこの書の誤りを以下に記しておきます。
*112-113頁:ゴヤ『我が子を喰らうサトゥルヌス』の章に次の記述があります。
「サトゥルヌス(=クロノス)とは、ギリシャ・ローマ神話における農耕神であり、また「時」をつかさどる神である。
これは間違い。
ギリシャ・ローマ神話にはクロノスと片仮名表記される神が2種類存在します。
ひとつは農耕の神「クロノス(Kronos)」で、もうひとつは時間の神「クロノス(Khronos)」。綴りが異なりますので、注意が必要です。
そしてゴヤが描いたサトゥルヌスは農耕の神の「クロノス(Kronos)」のほう。
画に込めた作家の悪意
2022/07/24 10:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M★ - この投稿者のレビュー一覧を見る
肝は、マリーアントワネットのスケッチ。
作家は、風見鶏のルイ・ダビッド。
評判は悪い画家だけど、正直に描いている。
他は、作家の正直な目で書いたものや、悪意を込めたものなど、
「怖い」としているのは、画に込めた作家の悪意。
ネットはメディアが発達していない時代は、
画や流言飛語で人心懐柔していたので、画は大事なツール。
電子版は、数点絵の掲載が無かった。