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過去、上下巻読了。
4人と1匹の幸せなある家族の物語。
綺麗な妻、愛らしい娘、生まれたばかりの息子、元気な猫。
新しい我と家の親切な隣人、いい所だが目の前の国道は往来が激しい。
そして裏山には国道で死んだペットたちの霊園があった。
片田舎に引っ越してきた幸せ家族、序盤は本当にそんな感じ。
ただ既に不穏なキーワードが繋がる。
交通量の多い国道、ペット霊園、そしてペット。
これで連想させるものはただの悲劇でしかない。
もし突如に襲った悲劇を受け入れられなかったとしたら?
その悲劇に対して何か出来る手立てがあるとしたら?
通常はそんな救いの神はいない、もしいるならその逆の何か。
ボクは読んでてとても悲しく、でも同じ事をすると思ってしまった。
愛と悲しみと愚かさと、ある1つの邪悪。
それらが混ざり合った物語に興味があればどうぞ。
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やっぱりキングは面白い! 個人的ハイライトは主人公の息子が家の目の前の道路で車に惹かれて死んでしまうところ。その場面を主人公はなんどもなんども夢に見ます。まだよちよち歩きのその子を必死で追いかけ、車が来る寸前に襟首を掴んで、やった、助けた! というところで目を覚ます。夢では幸せ、現実は悪夢。次第に追い詰められていく主人公は、その夢と現実の配置をひっくり返そうとします。
絶望は一種のエンターテイメントです。キングの小説ではいつもそれを思い出します。上記の男の子が死ぬ場面なんかその中の白眉! 単なる幼児の死がこんなにも怖くて悲しいのは、彼に注がれた家族の愛の存在があるからです。キングの描く絶望には、必ず深い愛情がよりそって、お互いの存在をくっきりと引き立たせます。
またキングの代表作のひとつである「呪われた町」では、主人公が愛する人たちを取り戻すために行動します。そして「呪われた町」をポジとすると「ペット・セマタリー」はネガにあたります。どちらも深い愛を起点にした結果で、だからこそ「ペット・セマタリー」の主人公の愚かな行為はやるせなく、救いがないラストにも読者を納得させる充足感を与えています。
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久々のS・キング。
さすがの貫録。これは面白い。
前半は、そんなに怖いシーンが出てくるわけではないけれど、後の悲劇を予感するような、細かいエピソードが散見する。「怖い!」と思わされるのは、後半の本当のクライマックス部分だけなのに、上下二巻の長丁場を全く飽きさせない。
そして、以外なことに救いのない結末。
S・キング氏は、写真なんかでは人のいいアメリカのおじさんに見えるけど、本当はとんでもなく厭世家の人嫌いなんだろうな、と思う。
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田舎町に引っ越してきた医者のルイス一家。妻と子供たちが帰省した時、娘の可愛がっている飼い猫のチャーチルが死んでいるのを、ルイスは見つけてしまう。
ルイスは隣人のジャドと共に、猫の死体を自宅の近くにあるペットの霊園に埋葬しに行くことにするのだが…。
キング作品はなかなか動きだしの遅いイメージや、文章がボリューミーだったりと、エンジンのかかりだしの遅い作品もちょくちょくあるのですが、この作品は入り込みやすかったです。
登場人物の平和なやり取りをはじめとした人物描写や、子どもたちの可愛らしい様子はもちろんですが、いいタイミングで恐怖描写が入ってくるのもまたいい! そして怖い!
大学の治療室での一幕、そして猫を埋めに行った土地での不穏な雰囲気、そこで語られるジャドの過去…、派手に来るホラーの描写ももちろん怖いのですが、ひたひたと迫りくる怖さもしっかりと描いているあたり、キングの凄さがあるとあります。
そして命や死をめぐる物語としても秀逸です。娘のエリーがふと生物の命や死に興味を持った時、父のルイスがやさしく語り聞かせているところも、しっかりと描かれていて、こうした一家がこれからどういう運命に襲われるのか、ホラーとしての楽しみもあるのですが、一方で不安でもあります。
舞台は整った、という感じがあるので、下巻もとても楽しみです。
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あー早く下巻が読みたい。
初めてS・キングの本を読んでみた。
面白い。不穏な雰囲気の中にもアメリカの細かい文化までも(たとえば田舎の伝道的なクスリマスの過ごし方や料理など)も楽しめてはまりそう。
この猫、チャーチをあの場所(ミクマク族の埋葬地)に連れて行って生き返らせたってことは、(薄気味悪い違う猫として帰ってきた)上巻のラストで息子のゲージがトラックにはねられて死ぬことが示唆されていて…。
あーきっとあの場所にまた連れて行ってしまうんだ。
どんな子になってゲージは戻ってくるんだろう…。
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複数巻の長編を平行に読破しよう月間。継続中。
キングの代表作でもある作品。引越したら、家の裏に謎の「ペットの墓」があった。代々子どもたちによって管理されている墓の隠された秘密とは。
スティーブン・キングらしい、ホラー要素もあるけど、本題は別なんだよねという作品なので、まるっきり純文学のようである。ホラー(と言うか怪談)的要素は、事故で死んだ大学生、パスコーが瀕死で語りはじめる部分くらいで、あとは「死とは何かを納得させる」というのがテーマ。
上巻だけでも結構長く、一瞬出てくる「ペットの墓のほんとうの解釈」という話で切っても、それなりに良い作品だったのではないかと思う。そこからまたグイグイと引っ張っていき、純文学風なのに、登場人物に無駄がないというのも名作たるゆえんであろう。
ちなみに、「ペット・セマタリー」は、原題の「Pet Sematary」からであって、相変わらず日本の映画会社は「ペット・セメタリー (Cemetery, 墓)」といらん解釈を足しているようだ。
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内容
都会の競争社会を嫌ってメイン州の美しく小さな町に越してきた、若い夫婦と二人の子どもの一家。だが、家の前の道路は大型トラックがわがもの顔に走り抜け、輪禍にあう犬や猫のためにがあった。しかも、その奥の山中にはおぞましくも…。
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キングのホラー小説はほぼすべてジェットコースターだ。
落ちる落ちる落ちるぞ……ほら落ちたー!!と、緩急は絶妙にして盛り上げるだけ盛り上げてどん底に突き落とす、よくできた遊園地のアトラクションのような構成。
それ故に、彼の作品で恐怖を感じたことはない。
一時期ハマって読み漁ったのだが、「IT」も「シャイニング」も「呪われた町」も、モダンホラーの傑作と絶賛される完成度の高さは認めるが、お話としてはよくできてる、エンターテイメントとしては大満足、と感心しながら、真実の恐怖を味わったことはいまだない。
それよりはむしろ「刑務所のリタ・ヘイワース」や「11/22/63」のようなヒューマンドラマに重きをおいた作品のほうが長く余韻を残すし、同じホラーでも「ミザリー」のようなサイコパスを描いた作品の方が暴走する狂気に慄く。
本書もまたしかり。超自然的な力に翻弄される幸せな一家を主軸にした話で、不吉な雰囲気は序盤から漂っている。
手製の墓が並ぶペットセメタリ―や、その奥のインディアンの聖地の異教的な描写にはぞくぞくするし、スリルは十分ある。
しかし上巻では学生の事故死と猫の復活と豹変以外に特筆すべき変事はおこらず、冗長にも感じられる。
そのぶん幼い子供を抱えた一家の幸せな日常がたっぷり尺を割いて描かれている。エリーとゲージの成長、姉弟のじゃれあいは微笑ましく、ゲージと凧を揚げる終盤のシーンはじんわりする。
キングの作品にままあることだが、「○○が二週間後に死ぬとは誰も思わなかった」とか「○○の命はこのあと二か月しかもたなかった」など、まだ何も起きてない時点の地の文であっさりネタバレされるので、人によっては興ざめするかもしれない。
気になったのは主人公の飼い猫チャーチへの仕打ち。
死んで初めて愛してたことに気付いたと独白してるが、その割には「なに死んでくれてるんだ」と罵声をとばすし、自分の身勝手で甦らせたのちは殴る蹴る虐待するで、猫好きならずともペットを可愛がってる人にはキツい。
良くも悪くも今ほどペットが尊重されてない時代の価値観で書かれている。
ジャドに至ってはお前が元凶だろ!!!!!と全力でツッコミたい。名伏しがたい力に操られてたのはわかるけどさあ……
上巻は起承転結の起承だけで、下巻の転結から面白さが加速するが、個人的にはスッパリ潔く救いのないラストでもよかった。
というか、あのオチじゃ生き残った彼女が可哀想。
ルイスが破滅するのは自業自得だが、その眼中から零れ落ちた存在のその後の人生を想像すると切ない。
一番ぞっとしたのは超自然的な邪悪ななにかや不気味な墓地、食屍鬼よりもなにより、ジャドの愛妻・ノーマの真実だった。
なお「ペットセマタリー」のタイトルは、共同墓地に子どもがかけた看板の誤字をそのまま引用したもの。
この遊び心が憎い。
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近々この映画を見に行くことになりそうなので、手にとってみた。
海外の映画に関しては、そんなに「原作を読まなきゃ」と思うことはないのだが、今回は珍しくなぜか気になって、読んでみたくなった。
翻訳ものは、不自然な日本語表現が気になって、スムーズに読み進められないことが多いのだが、この本に関しては、内容を知りたい気持ちが勝っているのか、そういう部分があっても読み流して先に進むことができている。
なんか……不思議な吸引力のある物語。
確かに薄気味悪いんだけど、目が離せなくて、でも、おもしろい、っていうのともちょっと違うような……。
いやでもこの吸引力をひと言で表すなら、おもしろい、しかないのかも。
登場人物の言動に疑問を抱いていたら、後で「そういうことだったのか」と理解できてホッとしていたところ、闇の中から緑の目が光っていてギョッとしたり……。
うぅむ、さすがスティーヴン・キング、というところか。
何はともあれめっちゃ気になる未来が明かされちゃってるから早く続き読みたい!
さぁ、下巻下巻。
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チャーチが死ぬはずなんかあるもんですか。
誰もこの家で死ぬはずなんかあるもんですか。
ずいぶん昔に「IT」を読んで以来のキングです。
この上巻は、ゆったりと話が進みます。会話の中でもちょっと出てくるだけの人物にもジョークを交えたエピソードが披露されるので、楽しい反面、焦ったく思えるところもあります。
妻のトラウマに起因する主人公夫婦の激しい喧嘩、不気味に生き返った愛猫のことを娘にどう伝えるか悩むシーンなど、感情的な場面の描写は素晴らしく、本に引き込まれます。
不吉な予感を漂わせながら、下巻に続きます。
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猫を飼っているものとしては、チャーチが可哀想だ。
日常の平和と不気味さのギャップが秀逸だ。
下巻が楽しみ。
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ホラー系のお話は苦手なので、この作品も私の心には全く引っ掛かることのない類いのものだったけど、海外ホラー好きの妹に映画へ誘われて観に行きなかなか興味深い内容だったので原作を購入。翻訳が頭に入ってこないため海外文学には苦手意識があり、これも最初は思うように読み進めることができなくてもどかしかったけど、いつしか物語にどんどん引き込まれていって、気付いたら下巻まで一気読み。
上巻は穏やかな日常の描写が多いけど、一方で未来に確実に起きるであろう何か不吉な予感を漂わせながら進んでいく。下巻まで読み終えた今、凧揚げのシーンがひどく懐かしく、鮮やかな美しい思い出として甦り胸が締め付けられる。
ルイスは一体どこで道を誤ってしまったのか。どこかのタイミングで引き返す手段はなかったのか。愛が故の悲しい結末を知ったからこそ、この上巻全体に散りばめられた家族の思い出の数々がより一層輝いて目に映る。辛い。
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所々、脱線があり読みづらい部分もあるが、キングの世界観にあっという間に引き込まれる。
ホラーではあるがキングらしい人間の悲哀、愛の物語。
これを読むと、毎日を大切に生きようと思える。
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最近スティーブンキングに再度はまってます。
上巻はこれから起こるであろうことの、伏線がたっぷりと語られます。
主人公の子どもと妻との幸せな生活、通りの向こうに住む良き老夫婦、ペット霊園にまつわる話...
下巻で何か起こりそうな雰囲気プンプンで終わるので、幸せな暮らしが語られれば語られるほど、この先の展開が怖いです。キングであればジェットコースターのように、上巻のストーリーを回収しながら下巻を展開していくんだろうなあ。楽しみです。
ところで途中途中でる地名のデリーや狂犬病の話は、他作品とつながってるのかな。
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幸せそのものの若い夫婦、自然に囲まれたメイン州の田舎町、チラチラと見える主人公の心の闇。何かを隠している隣人…
一体何が起こるのか、ワクワクさせる上巻ですが心理描写が非常に丁寧、悪く言うともっさりスローペース。