古典的ミステリーを換骨奪胎する達人芸。
2020/09/27 11:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作の著者であるアンソニー・ホロヴィッツの魅力は、
古典的フーダニットミステリーをベースとしつつも新しさを損なわない点だと思う。
「カササギ殺人事件」、「メインテーマは殺人」に続き本作もその魅力は健在だ。
本作は「メインテーマは殺人」に続くダニエル・ホーソーンとアンソニー・ホロヴィッツコンビのシリーズ二作目である。
前作を未読の方でも十分に本作を楽しめると思うが、彼ら二人の関係性やホーソーンのキャラクターに関することなどはやはり前作を読んでいたほうがより楽しめるだろう。
本作でも前作同様、ホロヴィッツ自身が語り手であるというメタフィクション形式が存分に活かされたミステリーとなっている。
殺害現場に残された182という数字の謎や、被害者の過去に秘められた謎、胡散臭い容疑者達を基に読者はホロヴィッツと同じ目線で謎を解いていくことができる。
この徹底したフェアプレイも著者の魅力の一つであろう。
全ての手掛かりは呈示されているにもかかわらず、どこかもやもやした感覚が拭えず真相を知りたいがためページを繰る手が止まらない。
そして真相が明かされると今まで何気なく読んでいた描写が、とてつもなく重要な描写だったのだとハッとさせられる感覚は本作の様な素晴らしいミステリー作品でしか味わえないはずだ。
個人的に特に凄いと思ったのは、被害者の過去にある問題と現在の問題が事件と関わっているのは明白なのだが両立はしえない点だ。
過去の出来事が事件の原因となるのならば現在の問題に説明がつかず、その逆もまたしかり。
もちろん最後には全てのピースがかちりと当てはまる。
そして上記したように本作は徹底したフェアプレイなので真相が明かされると、どうして気が付かなかったのかとホロヴィッツと同じ悔しい気持ちを味わった。
本シリーズは全10作を予定しているようで、徐々にホーソーンの過去も明かされていくことに今後期待したい。
そして現段階で10作品を予定しているということは、もう既にホーソーンの過去に関する伏線や重要なヒントが張り巡らされているのでは…。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダニエルホーソンとアンソニーホロヴィッツの二人のシリーズものです。しかしーまぁ……よくも又、同じようなひどい目に遭うなぁ……というのがはじめの感想ですね。トリックは、見事に騙されました。
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホーソーンの謎めいた感じ、事件そのものよりもそっちのほうに興味がわきます。
どんな経緯で警察をやめたのか?とか。
こっちのシリーズも楽しみ。
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
何とも謎の多い探偵で、事件よりも探偵さんのことが気になります。
これからいろいろと明らかになってくると思うと、それも楽しみ。
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投稿者:ぽんぽこ仮面 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作に引き続き面白かったです。主人公がイヤなキャラクターなのに面白くって、それが読んでいくうちにその主人公にどんどん興味を持つようになってしまって、楽しんでしまいました。
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前作『メインテーマは殺人』に続きホーソーンとホロヴィッツが仲良くケンカしながら謎を解いていきます!殺人の真相は現在の事件にあるのか、それとも過去の事件にあるのかで推理するのが楽しかった!
しかしホーソーンの秘密主義は徹底してますな〜。今作でも少しだけ私生活が垣間見えますが、とっつきにくいこの人ことが好きになりつつあります。
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実直さが評判の弁護士が殺害された。裁判の相手方が口走った脅しに似た方法で。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた謎の数字“182”。被害者が殺される直前に残した奇妙な言葉の謎は…?
アンソニー・ホロヴィッツと探偵ホーソーンシリーズの2作目。今回は犯人当たりました!
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世評は高いが、自分にはあまり面白くなかった。エラリィクィーンの悲劇シリーズを意識しているのか?ホーソーンが好きになれない。困ったもんだ。
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二転三転、、そして濃い。今回も楽しませていただきました。カズオイシグロ氏をモチーフにしたのか、作風は全く異なりますがエキセントリックな日本女性作家が登場します。日本を代表する庵野秀明氏と大友克洋氏によるAKIRAを足したの?と勘ぐっちゃいましたね。日本のファンを意識してくださってたのなら嬉しいですね。そんなこんなで作家業のリアルな状況も垣間見え、また、ロンドンの市街の雰囲気も味わえて実に楽しい時間でした。ホーソーンシリーズは(作中の記述によると)三作契約されてるようです。契約にそうならあと一作は読めるんですね。楽しみでーす。
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厄介な事件が起こると警察のコンサルタントのような働きをする、元刑事のダニエル・ホーソーン。
彼の手がけた事件を小説化する契約を交わした小説家の「わたし」=アンソニー・ホロヴィッツ。
この二人のコンビ???が活躍するシリーズ、二作目。
メインのふたりのキャラクターに馴染んだせいか、『メインテーマは殺人』よりもテンポ良くぐいぐい読まされた。
それにしても…あーこりゃアンソニー、絶対真犯人じゃないって〜!と残りページの分量を気にしつつ、心の中でツッコミ。
さらにその上、またもや怪我をさせられるとは…
何という愛すべきキャラクター。
どこまでも謎めいたホーソーンとの対比で、ご本人には気の毒だけれど、右往左往っぷりが最高。
ホームズものに因んだものや、若者のネットスラングなど、私には読み解けないヒントが多く、犯人当てに参加するには力不足だったが、それでも十分面白かった。
ラストの手紙が、捜査の途中で直接登場しなかった人物の心情を伝えていて、ホーソーンの推測を裏付けつつ、妻子への愛情を表していて、良かった。
生命保険は、まさにラスト・ラブレターなのです。
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実直が評判の弁護士が殺害された。
裁判の相手方が口走った脅しに似た方法で。
現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた謎の数字”182”被害者が殺される直前に残した奇妙な言葉。
わたし、アンソニー・ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソンによって、奇妙な事件の捜査に引きずりこまれてー。
絶賛を博した『メインテーマは殺人』に続く、驚嘆確実、完全無比の犯人当てミステリ。ー文庫うらすじより
容疑者、六人の中から犯人を捜すフーダニット。
第一の容疑者である、女性作家アキラ・アンノが東京生まれで詩集(俳句集)を出版していて、その中の182句目が『君が息 耳にも告ぐる 裁きは死』と言うところからきているタイトルとの絡みが面白かったです。
ちゃんと読めば、犯人がわかるように書かれていたと、あとで、悔しく思いました。
最後に真犯人をかばった人間がやった工作が見事だと思いました。
犯人が犯行後にやったことも興味深く謎解きが面白かったです。
あの作家が絡んでいたとは…!?
”182”の謎も面白かったけれど、日本人には解けない謎だったのではないかと思いました。
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前作と同じく古き良き古典ミステリーの雰囲気を漂わせた本格物。
本筋である殺人事件の犯人当ては言わずもがな、個人的には徐々に明かされていく主人公ダニエル・ホーソーンの人物像が気になるところ。
ホーソーンすごいホームズ好きじゃん!と読んでて思わずニヤリとしてしまった。
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アンソニー・ホロヴィッツと探偵ホーソーンのシリーズ。
弁護士が殺害され、現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた謎の数字“182”が残されていた。
被害者が担当していた離婚訴訟や、被害者が過去に遭遇した友人の死などを探るのだが、少々くどく感じられた。
そして、訴訟相手であるアキラが出版している俳句の表現が気になってしまった。外国人の考える俳句はこんな感じなのだろうか。
そんなこんなで残念ながらカササギ、メインテーマほど面白いとは思えなかった。
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著者自身の作家・脚本家としてのリアルな活動と、ミステリーが融合して生み出される独特の物語は今回も面白すぎ!ホームズ作品が登場するところもニンマリ。ヒントが散りばめられた正当な謎解きも文句なし。
次回作も楽しみです。
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ホーソーンの推理には脱帽。
人柄には疑問。
トニーへの関わり方は不思議。
アンソニーの推理には!も?も有。