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シリーズ3作目。
シリーズものって、話が進むにつれて薄くなっていくことが多いのだけれど、これは違う。
少しずつの繋がりで、ゆっくりだけど、確かに前進していく。
人の成長は、周りの人にも、少なからず影響を与えていくのかもなと、じんわり思った。
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川越の町にある小さな印刷所をめぐる短編連作。
最近、静かなブームとなっている活版印刷に光をあて、その印刷所を営む若き女性主人公と彼女にゆかりのある人々とのふれあいや過去の出来事などを題材にしている。
古い川越の町並みやレトロな活版印刷など一昔前の郷愁を感じさせながら、主人公の母親の青春時代を知る者にとっては懐かしさを、また今の若者にとっては珍しさと新鮮さを感じながら読み進めることができる。
この小説全体のふわりとした柔らかな雰囲気にぴったりの魅力ある主人公の設定である。この小説はシリーズとなっている。その後の進展が気になる終わり方をして読者を惹きつける。
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川越の街の片隅にある活版印刷屋さん。お祖父さんが経営していたけれど、亡くなってから閉めていた店を、小さなきっかけが重なって、孫の弓子が再開した。
活版印刷三日月堂の3作目。短編4篇。
どれも弓子さんと三日月堂の話だけれど、どれも視点は別の人。今までの物語で作られたものや、タウン誌の記事などをきっかけに、三日月堂にやってきた人たちから見た三日月堂と弓子さん。
別の人の視点だけれど、弓子さんの中のいろいろな気持ちが伺える物語になっていて、どれも、しんと優しい心の物語。
手キンから始まって校正機まで稼働させていた三日月堂ですが、今回の出会いで、一番大きな機械が動くことになるかも?ってところまで来ましたね。これからまたどんなふうになっていくのか楽しみです。
そして、弓子さんに惹かれていく男性がちらほら出てきたのが気になるところ。今後そんな展開もあるんでしょうか?
・チケットと昆布巻き
・カナコの歌
・庭のアルバム
・川の合流する場所で
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みんなが虜になる活版印刷。亡くなった弓子の母親の思い出話の場面でも、弓子側は淡々としているのがこの作品らしい。
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心温まる、そして、頑張ろうと思えるお話が素敵だなと思いました。
本、いいなー。詩集いいなー。
わたしも作りたいなー。
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ほしおさなえ さんの文庫本の第三弾活版印刷 三日月堂『庭のアルバム』
待っていました 本屋さんに出てたので即買いです^^
こちらの本は、おそらく読んでもそれほど感動しない人と、すごく感動する人に分かれるかなって感じています。
物語そのものは人への優しさや思いやりがこもった話しなんですが、派手なアクションやドキドキの展開もなく、どちらかといえば淡々と日常的な話の展開なので、活字に興味ない人や物作りがそれほど興味ない人からすれば、いいか悪いかではなく、そのいいと言う物の何がいいのかって事が伝わりにくいかなって思うんです(あくまでも私の主観ですが)^^;
私の場合は、仕事柄と趣味からかいっぱい共感する所があるので、感情移入しやすくかなりお気に入りの1冊です。 読書メーター1位とか書店大賞とかを取ってるのも、やっぱ店員さんや読んでる方が活字に思い入れのある方が多いからからなのかなぁって感じています。
今回のお話は、弓子さんのお母さん(カナコ)のお話しや、イジメではないがでも学校に馴染めず花の絵ばかりを書いてる少女と万葉のお話しなんですが、読んでるうちに自分でもなぜか涙腺が緩んでいくのを感じ、それは悲しいからとか嬉しいとかじゃなくて、その話しのテンポ ゆっくりとした時間の中で感じられる思いやりや優しさが安心感を与えてくれてる様に思え、こう言う時間もいいなぁと こういう時にも涙が出るんだなって感じました(ρ_;)
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期待し願っていた展開が嬉しい。活版印刷復活にひとり取組む若き女性店主って粋な設定で、顧客の気持ちをくみ、お洒落で個性的な案内状、名刺、コースターなどの製作を手がける彼女。でも、懐古趣味にとどまらずに印刷業を続けるならば、やはり出版に挑んで欲しいし、そのためにはパートナーだって必要だ。この巻でそんな肉付けがされ、今後の三日月堂がますます楽しみだ。
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【第1話】チケットと昆布巻き【第2話】カナコの歌【第3話】庭のアルバム【第4話】川の合流する場所で。家族、人と人との縁、職業観、物語を読み感じることは、年齢を重ねて変わって行くのだろうなあと思いながら楽しく読んだ。次巻が楽しみ!
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活版印刷三日月堂シリーズの第三作。
今まで謎めいた存在だった三日月堂の主、
弓子さんの背景が見えてきた。
短歌や詩が効果的に使われていて、読後感はしみじみ。
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ほしおさなえさん「活版印刷 三日月堂 庭のアルバム」読了。シリーズ三作目。とっても良かった。最初は止まっていた活版印刷が弓子さんによって動き出し、形の無い言葉が命を吹き込まれ輝き出す。今回収録されている四編も、良い物語でした。中でも弓子の母親の学生時代が描かれた「カナコの歌」と活版イベントと盛岡での出来事が書かれた「川の合流する場所で」が、ジーンときて胸に響きました。ラストに弓子さんが語るシーンは、忘れたくない。三日月堂のこれからを作り上げる頼もしい味方も現れ、希望を持てるところで終了。次の巻が楽しみ♪
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やっぱりいいなぁ。
活版印刷を軸につながっていく人と人。
「美しくて、ただ澄んでいて、しんと明るかった」
なぜか心惹かれる活版印刷。
言葉が、活字が、生きているように。
あぁ、活版印刷、やってみたいなぁ。
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これは圧巻、のシリーズ第三弾。
自分と大学の同期たちとの格差に悶々とする「チケットと昆布巻き」、弓子の母の友人がでてくる「カナコの歌」、学校にうまく馴染めない高校生が植物の写生画を通して人と向き合う「庭のアルバム」、最後に大きく物語が動きそうな「川の合流する場所で」。
面白かったです。
前巻までのテイストは引き継ぎつつ、うまく乗せた感じで。
どれも胸にくるお話でしたが、身につまされたのは「カナコの歌」かな。
大学の時、自分がこんな風になるなんて、思ってもいなかったなぁ、としみじみとおもいました。
結婚して子供を持つ人、そして独身のまま変わらないようで変わってしまう家族を抱える人。
すごく沁みました。
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三日月堂シリーズ第3弾。
活版印刷にまつわるハートフルなお話たち。
今回どのお話も心に沁みた。
一番は弓子さんのお母さんのお話、「カナコの歌」。
お母さんの友達が、お母さんの短歌をポストカードにするお話なんだけど、お母さんの、生に向かう短歌や弓子さんを思う気持ちや、ユーミンの「ひこうき雲」も重なって心がぎゅっとなった。
人と関わるのが苦手な女子高生が、活版印刷を通して人に向かい合う事を知る「庭のアルバム」も、素敵だった。活版印刷って色も乗せられるのね!って色々勉強になったり。
そしていよいよ物語が大きく動き出しそうな予感をはらんだ、「川の合流する場所で」。三日月堂以外の活版印刷にまつわる工場が出てきたり、ついに弓子さんが動かせなかった大量印刷用の平台なる機械が出てきて、三日月堂の平台が動き出しそうな予感!
次巻が楽しみ!
弓子さんの魅力に惹き込まれる人がここでも続出。
弓子さんのシンとした静かな美しい佇まいは本当に魅力的。
三日月堂の幸せバトン絶好調です!
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活版印刷三日月堂シリーズ第3弾。
チケットと昆布巻き
カナコの歌
庭のアルバム
川の合流する場所で
弓子さんの気持ちの揺らぎが切ない。
でも…
前を向いて行こう!という、勇気をもらえる一冊。
良いシリーズです。
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主人公がますます前へと進んでいた一冊だった。本作では人々の姿に泣かされた。「庭のアルバム」では故人の祖父の不器用な優しさとこれまた不器用で頑固者の祖母に、「川の合流する場所で」は不思議なめぐり合わせで弓子の背中を押す社長と、盛岡の地で叫ぶ弓子の姿に。2,3と一気に読んでよかった。またこの作者は情景描写が巧みだなぁとあらためて感じた。活字に囲まれた三日月堂の事務所の中、川越や盛岡の風景が目に浮かぶよう。そして活版印刷で作られた作品も目に浮かぶよう。また今回は一話ごとの扉の写真がとても印象的でよかった。いい本の作り方だなぁ。本作品自体が活版印刷でないのは残念だが(難しいよね)。