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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼くして母を亡くし、継母との噛み合わない生活の中で、飼い犬に依存する少女。心を閉ざした少女を救ったのは、祖母とペットたち。言葉は通じなくても、温もりが伝え合う“命”の尊さ。両極端であり紙一重の「生と死」を、獣医師を目指す聡里を通し、シビアに描く生命の物語。
広大な北海道の地を感じられる珍しい鳥や動物たちの他にも、植物や食べ物が出てくるのも舞台を活かしていてとても良かった。
海と川の魚の違いを人間に当てはめた喩えなど、生物に無駄な線引きをせずにフラットな考え方を持っている登場人物が多いのも、作品の大きな魅力の一つ。
出来る事は出来る、出来ない事は出来ない、それぞれがその時に出来る精一杯をただやるだけ。“命”の前ではひたすらシンプルな事に、よりリアルさ感じた。
動物を通して学ぶ、人付き合いや家族の在り方。ままならない恋心。広大な地での壮大な物語の中での、繊細な心の変遷が、深くに沁みた。
リラの花咲くけものみち
2023/07/25 09:54
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
「やる気のない男よりも、やる気のある女のほうがずっといい。一番大切なのは本人のやる気だ」という言葉には正直驚きました。母が亡くなった後、新しい母とうまく馴染めず、愛犬パールと過ごすために不登校になった聡里。先輩にきついことを言われて東京に逃げ出しそうになった聡里。祖母との別れ、父との絶縁を通して聡里は獣医師として動物だけでなく畜産農家をも助ける存在として成長していく。人にはそれぞれ求められる居場所があることをつくづく感じましたね。
通勤時に読んでましたので、ちょっと涙目になってしまいました。藤岡作品は通勤時危険ですね。
北海道の爽やかな風が終始吹き続いていました
2024/08/13 17:44
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投稿者:さくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
不登校になった少女が獣医大学を目指す作品。ドロドロした人間模様は無くて、課題にコツコツ取り組んで行く聡里の獣医になる物語。努力する直向きな人間は救われるんですよね。良い作品でした。
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
獣医師への道を歩む主人公の成長物語。主人公は、10歳で母を亡くし、父の再婚に伴い孤立してしまい、母方祖母の心身両面の支えにより、獣医科大学へ進学し、獣医を目指す。引きこもり時期があったために、友達を得ることが苦手だったが、それおも克服していく。獣医学教育、獣医師としての仕事の内容が多岐にわたり、その苦しみも描かれ、面白かった。どのような学びの道を選んだとしても、時間をかけて力を尽くして築いたものだけが、最後に残るのだろう。
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
馬の出産シーンの描写は衝撃だった。
そんなことするの?って。
それが現実なんだな。
場所にもよるけど、獣医師も覚悟が必要なんだね。
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動物たちが、「生きること」を教えてくれた。 家庭環境に悩み心に傷を負った聡里は、祖母とペットに支えられて獣医師を目指し、北海道の獣医学大学へ進学し、自らの「居場所」を見つけていくことに――北海道の地で、自らの人生を変えてゆく少女の姿を描いた感動作。
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藤岡陽子さんの作品はほとんど読んでいますが、今回の作品は獣医師を目指す北海道の獣医学大学生、聡里これまでに医学関係のお話は感度も書かれていますが、獣医学をこれほどまでにくわしく書いたものはないと思います。実習の苦しみや挫折そして立ち直った時の清々しい感動を覚えました。それと祖母チドリとの関係も感動しました。心震える感動作間違いなしの大傑作あなたもぜひ読んでください。そして成長した聡里を見たいのでぜひ続編をお願いします。
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北海道で獣医師を目指す聡里。
母を亡くし、父親の再婚者相手からはネグレクトを受けて不登校に。祖母のチドリが助けてくれなかったら、どんなことになっていただろう。
その時のペットが心の救いになっていたことから出来た獣医師の夢。
現実は理想だけでやれるような仕事ではなく、想像以上に過酷。
でも、動物への思いと仲間がいることで頑張れるんだよなと思った。
獣医学については初めて知ることも多くて興味深かったし、北海道の植物が各章のテーマにもなっていて、自然を満喫した気分。
藤岡さんの描く成長物語は、主人公がまっすぐで魅力的なので素直に応援できる。
聡里には幸せになって欲しい。
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この本は、動物たちが「生きること」を教えてくれる物語で、とても良い本でした。
家庭環境に悩み心に傷を負った主人公が、祖母とペットに支えられて獣医師を目指します。
そして北海道の獣医学大学へ進学し、努力する姿に感動しました。
獣医学部のことや獣医師の仕事に対する理解が深まりました。
とても感動しました。
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母親を亡くしてから飼い犬だけが支えの女の子。学校に行ってる間に継母に犬を捨てられてしまうかも…という恐怖で引きこもりになってしまった。
そんな彼女が獣医師を目指す物語。
泣けました。
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よかったというレビューをたびたび見かけ、そのうち読もうと思っていたところ、年末に第7回未来屋小説大賞で第1位を受賞。未来屋書店さんでフェアーをやられていて、なんとサイン本に遭遇…悩みに悩んで購入しちゃいました。そして積むこと数ヶ月、やっと読めました〜。
小学四年生で母を亡くし、父の再婚相手とはうまくいかず不登校となった聡里は、愛犬のパールだけが心の支えだった。15歳の時に母方の祖母に引き取られ、獣医師を目指すようになり、北海道の大学へ進学することに。
最初の頃の聡里は人見知りの引っ込み思案でウジウジとしていてあまり印象がよくありませんでした。でもそんな自分に自信のなかった聡里が、親友と出会い恋を知り、挫折しそうになりながらもあきらめずに夢に向かって懸命に歩んでいく、そんな姿にいつしかエールを送りたくなりました。
チドリおばあちゃんが本当に愛情深くて芯が強くて素晴らしい人で、私もこうありたいです。北海道の豊かな自然描写も素敵で、とても良かったです。
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「本気で何かを目指すというのは地道な努力を積み上げることなんだって。こうありたいという理想を持って、すべきことを迷いなく続ける。それができる人だけが夢を叶える資格を持てる」(102頁)
「逃げるのは悪いことじゃない。逃げなきゃ死んじまうことだってある。逃げた先で踏ん張ればいいんだ。いま辛いことから逃げ出したとしても、時間を経て変わることはできる。苦しんだ人のほうが、初めからなんでもできるやつより強いよ」(192頁)
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お正月に読んで良かった‼️と思える本
藤岡先生の本は、読み終わっていつも心が温かくなる
どんな時でも、生き甲斐を持って明るく、強く、孫を優しく包んであげた祖母、私もそんな人生を歩みたいと思う。
心に傷を負った少女が、自分の目標に向かってやり遂げられたのも祖母の愛情があってのことだろう。
この本を通じて、素敵な花言葉や鳥や酪農にも興味を持てた。
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北海道の大自然のなかで、獣医師を目指す大学生・聡里の成長物語。
寮生活への戸惑い、実習や動物病院で初めて知る現実にショックを受けたり、心が折れることもある。
だけど経験を通して自分のいろんな感情と向き合い、前を向き、夢に向かって奮闘する彼女から目が離せませんでした。
尊敬する先輩や獣医師、友人たち。出会いとこれまでの経験すべてが成長へとつながっていく。
とても素敵な作品。
読後は胸がいっぱい…。何度も何度も涙腺を刺激されました。
本書を通して、今まで知らなかったことについても知ることができた。
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獣医を目指す女子が女性になっていく。
早くに母親と死別し、父親の再婚相手にネグレクトされたことがきっかけで中学校に通えず教育を受けられずにいた。母方の祖母が引き取って高校に通って北海道の大学へ。
夏の研修での馬の死産のシーンが衝撃的だった。
獣医というと伴侶動物のペットの動物病院をイメージしていた。産業動物の大動物って言葉自体初めて聞いた。
チドリさんがおばぁちゃんで良かったね。常に前向きで、残念なことがあってもで「も良かったのよ〜」
って前向きなことを見つけられるって素晴らしい。
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何もできない、友達もいない少女が獣医を目指す物語。獣医という仕事がどういうものか、何を思って仕事をしているか少し分かったような気がします。また動物の命の重さについても考えさせられました。