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R3-10-10 夏目漱石の50句

R3-10-10 夏目漱石の50句

夏目漱石の50句 蒟蒻に梅を踏み込む男かな碧玉の茶碗に梅の落花かなものいはず童子遠くの梅を指す人に死し鶴に生れて冴返る在夜夢に雛娶りけり白い酒菫程な小さき人に生れたし落ちざまに虻を伏せたる椿かな煩悩の朧に似たる夜もありき春此の頃化石せんとの願あり春の夜のしば笛を吹く書生かな 海棠の精が出てくる月夜かな永き日を太鼓打つ手のゆるむなり若葉して手のひらほどの山の寺でで虫の角ふりたてて井戸の端蝙蝠や...

R3-10-8 夏目漱石の三句

R3-10-8 夏目漱石の三句

菫程な小さき人に生まれたしこの句の菫は道端などに咲く紫色の菫だろう。小説家の司馬遼太郎は、岩波文庫「漱石俳句集」(私の編集)でこの句を知った、と「風塵抄」に書いている。そして、「漱石の人と生涯と作品が、この一句でわかるような気がする」とも。漱石は現在の自分を否定し、菫ほどな人に再生するという再構築をしているが、その再構築に「悲しみ」がある。「人間本然の悲しみ」が文学の基本だ、と司馬は言う。 草...

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