物語は現代の8月6日から始まる。広島市内を走る路面電車。東京から遊びに来た女子大生は友達に連れられて乗った電車内で、午前8時15分に黙とうする周りの乗客に戸惑った――。
原爆投下から78年を迎える6日、若者に人気の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」で公開される予定のショートドラマの冒頭だ。原爆を題材にした映像作品は数あれど、ティックトック向けはほとんどない。
プロデューサーを務めるのは、スマートフォンの画面に合わせた縦長の短編動画を作る「こねこフィルム」の源秋策さん(30)。広島市安佐南区出身で幼いころ、被爆者の祖母、杉浦紀子さん(84)から「荒廃した焼け野原を歩いた」と当時の惨状を聞いて育った。源さんにとって8月6日は「平和について考える大切な日」だった。
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