戦時下の動物園演じ、平和伝え20年 神戸の市民団体が活動に幕

広島市安佐動物公園に寄贈した絵本「諏訪山動物園ものがたり」を手にする「神戸・子どもと教育ネットワーク」代表の池見宏子さん。事務所には発足時からつくられてきた横断幕が飾られていた=神戸市中央区で2023年7月26日午後4時10分、山本康介撮影
広島市安佐動物公園に寄贈した絵本「諏訪山動物園ものがたり」を手にする「神戸・子どもと教育ネットワーク」代表の池見宏子さん。事務所には発足時からつくられてきた横断幕が飾られていた=神戸市中央区で2023年7月26日午後4時10分、山本康介撮影

 子どもたちに平和の尊さを伝えようと、太平洋戦争を題材とした演劇の製作などに取り組んできた市民団体が7月、約20年の活動に幕を閉じた。「後世の子どもたちにも違う形で伝え続けられれば」。そんな思いで演劇のストーリーを編集した1冊の絵本は、10年の時を経て被爆地にも届けられた。

 「あっという間ですね」。7月末、神戸市中央区の雑居ビルの一室を見渡しながら、「神戸・子どもと教育ネットワーク(Kネット)」代表の池見宏子さん(78)=同市灘区=はさみしそうに振り返った。

 30平方メートルあまりの事務所には、数々の活動の記録や年1回の総会のたびにつくってきた横断幕などが所狭しと置かれていた。「数多くの支援や人とのつながりのおかげで続けてこられました」

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