子どもたちに平和の尊さを伝えようと、太平洋戦争を題材とした演劇の製作などに取り組んできた市民団体が7月、約20年の活動に幕を閉じた。「後世の子どもたちにも違う形で伝え続けられれば」。そんな思いで演劇のストーリーを編集した1冊の絵本は、10年の時を経て被爆地にも届けられた。
「あっという間ですね」。7月末、神戸市中央区の雑居ビルの一室を見渡しながら、「神戸・子どもと教育ネットワーク(Kネット)」代表の池見宏子さん(78)=同市灘区=はさみしそうに振り返った。
30平方メートルあまりの事務所には、数々の活動の記録や年1回の総会のたびにつくってきた横断幕などが所狭しと置かれていた。「数多くの支援や人とのつながりのおかげで続けてこられました」
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