1945年8月9日、6歳だった八木道子さん(85)が長崎市鳴滝町の自宅にいると、飛行機の音が聞こえてきた。日本の飛行機だと思い、2階に駆け上がって手を振った。「がんばれ」の「が」を口にした瞬間、光を受け「ドーン」という爆音と同時に体が持ち上がった。とっさに伏せ、爆心地から約3・3キロの家の中を爆風が吹き抜けた。
恐る恐る頭を上げると、タンスもふすまも同じ方向に倒れていた。2月に結核で亡くなっていた父の仏壇を急いで探した。
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1945年8月9日、6歳だった八木道子さん(85)が長崎市鳴滝町の自宅にいると、飛行機の音が聞こえてきた。日本の飛行機だと思い、2階に駆け上がって手を振った。「がんばれ」の「が」を口にした瞬間、光を受け「ドーン」という爆音と同時に体が持ち上がった。とっさに伏せ、爆心地から約3・3キロの家の中を爆風が吹き抜けた。
恐る恐る頭を上げると、タンスもふすまも同じ方向に倒れていた。2月に結核で亡くなっていた父の仏壇を急いで探した。
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