野間口陽

公明、存在感アップに腐心　野党と協調「多方面外交」にジレンマ

　自民党と公明党が少数与党となり、困難な政権運営が続く中、公明が存在感を出そうと腐心している。与党として野党の主張を取り入れることで、従来よりも公明党の主張が通りやすくなっているが、野党に「お株」を奪われかねないというジレンマも抱える。来年は公明が重視する東京都議選や参院選も控え、党は新たな目玉政策

政治改革関連法が成立　残る「抜け穴」　企業・団体献金は先送り

　24日成立した政治改革関連法は、使途公開が不要な政策活動費の全面廃止や、政治資金を監視する第三者機関の設置などが盛り込まれ、政治資金の透明化に一定の前進が見られた。6月に改正されたばかりの政治資金規正法が再改正され「抜け穴」は徐々に埋まっているが、積み残された課題も多い。　石破茂首相（自民党総裁）

自民公明の姿勢に変化　数の力→合意形成　“多弱”光った宙づり国会

　過半数を占める勢力がない「ハングパーラメント（宙づり国会）」となった臨時国会が24日に閉会した。第2次安倍晋三政権以降の「1強多弱」時代に見られた与党が数の力で押し切る国会の風景が一変し、野党の主張を取り入れ、与野党が合意形成を模索する姿が目立った。　◇立憲中堅「自民の姿勢が変化」　政治資金規正法

自公国「年収の壁」協議はメンツの張り合い?　再開巡り食い違う説明

　自民、公明、国民民主の3党幹事長は20日、国会内で会談し、所得税がかかり始める「年収103万円の壁」引き上げについて協議を再開することで合意した。一時は協議決裂の恐れもあったが、夕方には与党税制改正大綱の決定を控えており、その直前に関係修復を印象付けた形だ。ただ、178万円への引き上げにこだわる国

「達成感ない」　自民税調会長が吐露　様変わりの税制改正プロセス

　2025年度の税制改正議論は、国民民主党との協議など異例のプロセスをたどり、与党税制改正大綱の決定は例年よりも約1週間遅れとなった。焦点となった「年収103万円の壁」引き上げで暮らしはどう変わるのか。負担増との批判を避けようと、来年以降に議論を先送りしたテーマも目立つ。　野党・国民民主党の意向をく

国民民主より低コスト?　維新と与党接近に野党ピリピリ　自民の思惑

　野党第2党の日本維新の会が与党と「教育無償化」の実現を巡る3党協議を本格化させている。維新は高校無償化の全国拡大にこだわっており、来夏の参院選に向けて政策立案能力をアピールする狙いもある。一方、他の野党からは与党と維新の接近を警戒する声が上がり、実現に向けた道筋は見えない。　◇維新に秋波を送る自民

「税には理屈が必要」　与党税調が「壁」123万円にこだわった理由

　自民、公明両党は19日、所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の123万円への引き上げを2025年度与党税制改正大綱に明記する方針を固めた。国民民主党を含めた3党幹事長による「178万円を目指す」との合意内容も盛り込む。　　　◇　所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の見直しについて、自民

少数与党の逆風、「最後は政治決断」の声も　防衛増税攻防の舞台裏

　防衛増税を巡る政府・与党の対応は、所得税の増税開始時期の決定を先送りすることで落ち着いた。自民党は当初、予定通り法人税、たばこ税と同時に増税する方針だったが、公明党、国民民主党と「年収103万円の壁」の引き上げで合意。所得減税の協議も並行する中で方針を転換した。少数与党となり、逆風の強まる増税方針

読む政治

国民民主、補正賛成も178万実現は不透明　「自公が顔立てた」声も

　自民、公明、国民民主の3党の幹事長が11日、国会内で会談し、国民民主が求める「年収103万円の壁」引き上げについて、「178万円を目指して、来年から引き上げる」ことで合意した。3氏が合意文書に署名した。　「壁の引き上げを来年からやる。ガソリン税の暫定税率廃止を明言していただいた。この点をもって我々

どうなる防衛増税　国民民主は否定?　「壁」引き上げとの着地点は

　自民、公明両党の税制調査会（税調）の総会が25日に開かれ、税制改正に向けた本格的な議論が始まった。所得税がかかり始める水準である「年収103万円の壁」の引き上げやガソリン減税など国民民主党が主張するテーマが注目を集めているが、将来的な防衛財源を確保するための「防衛増税」の開始時期も重要な焦点だ。　

自公税調、「年収の壁」など議論本格化　濃い減税色、財源確保が焦点

　自民、公明両党の税制調査会は25日、それぞれ総会を開き、2025年度税制改正に向けた議論を本格化させた。所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の引き上げやガソリン減税といった、国民民主党と合意した事項の検討を加速させる。減税色が色濃い中、財源の確保策も含めてどう着地点を見いだすかが最大の焦点だ

「少数与党」の試金石　3党協議で国民、公約前進の一方リスクも

　衆院で過半数を持たない「少数与党」となった自民、公明両党にとって、国民民主党との政策協議は今後の政権運営を占う試金石だった。「年収103万円の壁」の見直しなどで譲歩することで補正予算案成立への協力を引き出し、与党内には「政権維持に向けたレールを敷くことができた」（自民関係者）などと安堵（あんど）感

政治資金の「第三者機関」議論本格化　設置場所巡り、自公で隔たり

　政治資金をチェックするために設置予定の「第三者機関」を巡る議論が本格化している。衆院選での与野党逆転を受け、消極的だった自民党も応じざるを得なくなった。もともと積極的だった公明党が率先してあり方について考えをまとめたが、権限の強さを左右する設置場所を巡り自公で隔たりがあり、議論がどのように展開する

103万円?　106万円?　財源は?　パズルのような「壁」見直し論議

　自民、公明、国民民主の3党は14日、「年収103万円の壁」見直しに向けた3党による税調協議を来週始める方針で一致した。少数与党となった自公は国民民主の協力を得るためにも国民民主の求めに応じ、「壁」の引き上げを模索するが、103万円の先にも106万円、130万円など複数の「壁」が立ちはだかる。財源確

政策活動費廃止へ　裏金相当額7億円寄付も検討　首相「年内に決着」

　石破茂首相は、政党から政治家個人に支出され、使途が公開されてこなかった「政策活動費」について廃止する方針を固めた。複数の政権幹部が明らかにした。与野党で協議し、年内に政治資金規正法の再改正などの方向性を決める。一方、自民党は裏金問題に関する「けじめ」として、収支報告書の不記載相当額約7億円を党から

公明、党勢立て直し急務　戦略誤算で「世代逆行」　斉藤氏が緊急登板

　公明党は9日、臨時党大会を東京都内で開催し、衆院選での議席減や自身の落選の責任をとって辞任した石井啓一代表（66）の後任として、斉藤鉄夫国土交通相（72）を正式に選出した。石井氏の代表就任からわずか1カ月あまりでの代表交代となり、大きな痛手を負う中での再スタートとなった。来年には参院選や公明が重視

自民、首相への不満噴出3時間　くすぶる「石破おろし」

　自民党は7日、衆院選を総括するための両院議員懇談会を党本部で開いた。少数与党に転落した大敗の責任を取り、石破茂首相（党総裁）と森山裕幹事長の辞任を求める意見が上がるなど、党執行部への不満が噴出した。ただ、急速な「石破おろし」の動きにはつながらない見通し。代わりの「顔」が見当たらないためで、党内には

自公国の3党協議枠組み、大筋で固まる　立憲は「閣外協力」と批判も

　国民民主党の榛葉賀津也幹事長は1日午後、公明党の西田実仁幹事長と国会内で会談し、年収が103万円を超えると所得税が課される「年収の壁」の見直しなど、個別政策ごとに両党間で協議を進める方針で一致した。既に自民党と国民民主は合意しており3党による協議枠組みが大筋で固まった。　また自民の石破茂首相は立憲

「安全運転」の石破首相、政策論戦深まらず　最後まで響く政治とカネ

　27日に投開票される衆院選では、「政治とカネ」をはじめとする各政策を巡る論戦が深まったとは言いがたい。石破茂首相（自民党総裁）は、政策活動費の廃止や持論のアジア版NATO（北大西洋条約機構）の創設に踏み込まないなど「安全運転」が目立った。一方、野党第1党の立憲民主党は企業・団体献金の禁止などを訴え

今後の政権運営いかに　想定される三つのシナリオ　衆院27日投開票

　投開票が27日に迫った衆院選の結果は今後の政治情勢を左右する。与野党の獲得議席数に応じて想定される三つのシナリオを探る。　想定される三つのシナリオ　①自公微減　「裏金議員」の要職起用進むか　②与党過半数維持も自民単独過半数割れ　公明に配慮の政権運営に　③自公が過半数割れ　連立政権の枠組み拡大模索か