ペレスの国でデッカいアロンソ様!何が400かというと、2001年にデビューし、二度レギュラーシートから降りた時期はあるものの、このレースで参戦400戦目となりました。すごいですね、四百戦錬磨ですよ。当然ながら前人未到です。ウィリアムズで株価上昇中のコラピントは5戦目ですから、コラピントの80倍の参戦数!8倍ではありませんよ80倍です(そういう例えも変なんですが)でもココはペレスの国。サーキットにいる多くにとって、英雄はペレスなのです。
余談はこのくらいにして、決勝レース前のスタートタイヤチェックです。
上位11人の角田までと下位の3人が黄色のミディアムタイヤをチョイス。ほか、下位寄りの6人が逆ストラテジーとなる白のハードタイヤとなりました。概ねこのサーキットは1回ピットと予想されていますので、どちらを先に履くかの違いになりそうです。
スタートはポールのサインツより、 2番スタートのフェルスタッペンがやや前か。上位は順当なスタートを決めたようですが、中団で何やらサンドウィッチ状態になった1台からパーツが飛んでいるように見えます。
あ、スピンし始めた!青白だから、レーシングブルズか?!右リヤタイヤが早くも外れている。
先頭はフェルスタッペンがやや前でターン1を抜けているようですが、目線はどうしても直進したマシンが誰なのか気になります。
ラインを閉められたサインツはアウト側のグリーンを大きくカット。
さすがにそれはダメと判断したか、サインツは素直にフェルスタッペンの後ろ2位で隊列復帰しています。確かにフェルスタッペンの蹴り出しはよかったけど、やり方が力業なんだよな。
クラッシュは角田でした。0周リタイヤ、というかコーナー一つも曲がることができませんでした。ここのところツイていませんね。一体何があった?!
11番スタートの角田は9番スタートのアルボンの左フロントウィングレットに触れて、タイヤが弾き飛ばされてしまいました。そのアルボンの右側には8番スタートのガスリーがおり、行き場の無い状態に。悔しいけどアルボンを責めるわけにはいかない。これが1周目の中団スタートの恐れるところです。この件により、当然ながらセーフティカーが発動しています。
このタイミングで順位変動を確認すると、トップが入れ替わったことに加え、角田とアルボンが離脱した関係で中団以下は順位を上げた者が多くいます。母国ペレスは何と-5となる13位に浮上しています。すごい。ただぁー!
リプレイではペレスのスタート停止位置違反がバッチリと映されるという赤っ恥。5秒ペナルティが下される。
いつも騒がしいパパもさすがに大人しくなっちゃっています。
一度2位に落ちたサインツはレース再開後の9周目に
綺麗にフェルスタッペンをパス。元いた順位に戻っています。あくまで冷静に賢くあしらう(前戦アメリカGP決勝終盤のノリスもこうすべきでした。ヤバいと感じたら一旦引き、やり返せばいい)
その前戦で悔しい思いをした3位ノリスもたちまちフェルスタッペンに立ち向かう。
このフェルスタッペンのノーズとタイヤの向き、次の右コーナーに対して完全に「ノリスありき」の向きではないよね。
ノリスがイン側やや前で左コーナーに進入。
フェルスタッペンがピタリとアウト側に並んで
ノリスのスペースなんぞあったもんじゃない。そんなことやっていると
2人揃って変なところを走っている間に1台のフェラーリが「正当なライン」で駆け抜けていきます。こちらはサインツではありません。4位を走っていたルクレールです。これでフェラーリはシレっとワンツー体制となりました。前戦に続いて2人のバトルの間隙を縫う賢い走り。
ノリスは当然無線で不満を言う。今日に始まったことではないし、ライバルのためにわざわざラインを開ける必要も無いけど、先程のサインツもそうですが、フェルスタッペンのパッシングはこういうパターンが多過ぎる。
四百戦錬磨のアロンソ様は15周でメモリアルなレースを終えることとなりました。マシントラブルながら、これもれっきとした1戦分です。
力業でやりくりしていたフェルスタッペンにスチュワードもいよいよ動く。フェルスタッペンに対しノリスとのバトルで2回分、10秒+10秒の合計20秒のタイムペナルティが下りました。
フェルスタッペンはこの後確実に順位を落とす。しかしフェルスタッペンよりペースがいいノリスの狙うは優勝。フェルスタッペンのペースに付き合っている場合ではありません。
ノリスよ、慎重にいってくれよ!また何されるかわからんぞ。あくまで賢くね。
27周目にフェルスタッペンがピットに向かい、一触即発バトルは免れました。フェルスタッペンは20秒+4秒のタイヤ交換をこなしてペレスの前15位まで後退しています。
ノリスの0.5秒前にいたフェルスタッペンは今や41.5秒後方へ。それにしてもレッドブルは2人して要らぬタイムペナルティを食らい、下位に沈むことになるとは、レース前、いやシーズン序盤からは想像もつきませんね。
3位に浮上したノリスはフェルスタッペンの4周遅れでピットインし、翌32周目に2位のルクレールと4位を走行していたラッセル、さらに33周目にトップのサインツがそれぞれハードタイヤに履き替えて、残り約半分のレースに向かいます。
33周目にまだタイヤ交換を行っていない暫定4位走行のローソン、暫定5位のピアストリ、6位ラッセル、7位ハミルトンが数珠繋ぎになっています。
ピアストリはフレッシュタイヤのラッセルにかわされると、続いてハミルトンに突かれ始めています。
ハミルトンは既にタイヤ交換を済ませていますので、こちらもピアストリにあまり付き合っている場合ではありません。あくまでラッセルがターゲット。
ハミルトンは35周目のターン1でピアストリをパス。これでメルセデス2台の直接対決の舞台は整いました。
レース終盤の60周目。5位ハミルトンが4位ラッセルを射程圏内に捉えています。
インからさすか?!
アウトからか。ラッセル堪える。
ピットアウト後は5秒以上離れていた2位ルクレールと3位にノリスはファステストラップを更新しながらこちらもDRS圏内に捉えています。フェルスタッペンは6位まで浮上してきている中、2位と3位では得られるポイントもかなり違います。ノリスが執拗にルクレールを追い立てる。
最終コーナーでアウトにはらむルクレール
その間にノリスが前に。ノリスの気迫勝ちでファステストラップ付きの2位浮上。
65周目。こちらはまだやっています。チームを離脱するハミルトンに残留するラッセル。どちらにもプライドがある。
翌66周目にようやくハミルトンが前に。よくもまあこんなに長い間追いかけっこをしたもんだ。レースの半分近くやっていたわけですからお疲れ様です。それにしてもよく耐えたラッセルにしつこく追ったハミルトン。
フェルスタッペンをさばいた後は一人旅となったサインツは結果的にポールトゥウィン。
《決勝結果》
1 サインツ (フェラーリ・F)
2 ノリス (マクラーレン・M)
3 ルクレール(フェラーリ・F)
アメリカGPに続き、表彰台の頂点に立ったのはフェラーリ、今回はサインツでした。今シーズン2勝目、通算4勝目(もう少し勝っている印象でしたが、まだ4勝だったんですね)2位は序盤はフェルスタッペン相手に、中盤はルクレール相手にバトル&追いかけてばかりのノリスが獲得し18ポイントをゲット。3位に終わったルクレールは逆にファステストラップを獲り16ポイントと、傷口を浅くすることに成功しています。また、2番グリッドから20秒の罰を食らったフェルスタッペンは6位までリカバーし、8ポイントを得ています。
《ファステストラップとそのタイミング》
ルクレール(フェラーリ・F)
1分18秒336 71周目/71周
《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
サインツ (フェラーリ・F)
《完走(扱い)台数と規定周回走破台数》
完走台数:17台(17台フィニッシュ)
規定周回:8台
最後の最後でフリーストップを活用し、ソフトタイヤを履いた3位ルクレールはノリスからファステストラップを奪う。
そういや今回も順位は完全無視の捨て身でソフトタイヤを履いて、ファステストラップを取り損ねたのがもう1人いたっけ?!(笑)
《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
サインツ(フェラーリ・F)
ポールトゥウィンで優勝争いとしてはイージーな内容となりましたが、スタート直後のフェルスタッペンに対する立ち振る舞い、そしてセーフティカー明けにポジションを取り戻すクレバーな走りができていたと思います。繰り返し、このドライバーが来シーズン「都落ち」に遭うのがつくづく惜しいですね。もちろん後任もF1界随一の戦績を誇り、今もなおハマれば速さを有してはいますが、今この脂に乗った状態のウィナーがそんな目に遭うのが不憫でなりません。この優勝がキャリア最後の優勝になるのかな。ウィリアムズが再起して、またトップチームのシートを得て再び表彰台の頂点に立つことができるのかな。いやまだ残る今シーズンで3勝目を手にすることができるのかな。前向きに期待したいと思います。
次点はこちらも今回は冷静かつ賢く振る舞い、一つでも表彰台の高い地位を手にしたノリス。また何気に好調続きのハースのマグヌッセンがよかったと思います。
《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》
フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
当然ですが、ワーストはこやつですよ。3回チャンピオンが前戦に続いてグレーなバトルをして、今回はクロの判定を食らって20秒の罰を食う。当然です。今までよく掻い潜ってきたと思います。はっきり言ってやり方がキタない。ある意味巧みなんでしょうし、今まではだいぶマシンの戦闘力に助けられてきたと思います。しかしこれからはそうも許されない。ファンのみならず、ドライバーもスチュワードも厳しくフェルスタッペンの走りとバトルに注目することでしょう。あなたはチャンピオンなんです。今シーズンも順当にいけばチャンピオン、四連覇目前です。ただ強いチャンピオンには強い挑戦者があなたの地位を狙って攻めてきます。正当に、見本となるような走りをしてください。頼みます!
次点は誰とは言いませんが、大きな期待を寄せられながら予選をしくじり、スタート位置を間違え、下位チームにあおられ、終いにはファステストラップを取り損ねた方です(殿堂入り)
《ドライバーズポイントランキング》
1 → フェルスタッペン 362pts
2 → ノリス 315pts(-47pts)
3 → ルクレール 291pts(-24pts)
4 → ピアストリ 251pts(-40pts)
5 → サインツ 240pts(-11pts)
6 → ハミルトン 189pts(-51pts)
7 → ラッセル 177pts(-12pts)
8 → ペレス 150pts(-27pts)
9 → アロンソ 62pts(-88pts)
10 → ヒュルケンベルグ 31pts(-31pts)
《コンストラクターズポイントランキング》
1 → マクラーレン 566pts
2 ↑ フェラーリ 537pts (-29pts)
3 ↓ レッドブル 512pts (-25pts)
4 → メルセデス 366pts(-146pts)
5 → アストンマーティン 86pts(-280pts)
6 → ハース 46pts (-40pts)
7 → レーシングブルズ 36pts (-10pts)
8 → ウィリアムズ 17pts (-19pts)
9 → アルピーヌ 14pts (-3pts)
10 → キックザウバー 0pts (-14pts)
ドライバーズは順位変動無いものの、フェルスタッペンとノリスの差は10ポイント縮まり、47ポイント差。ランキング3位のルクレールも何気にノリスに対して24ポイント差まで迫っています。
コンストラクターズはとうとうフェラーリがレッドブルを抜いて、ランキング2位に浮上。この勢いならばここに来てやや勢いが衰え始めたマクラーレンをも捉えられるところまでやってきました。
《第20戦メキシコシティGPのポイント》
・冷静なサインツ、結果ポールトゥウィン
・今回のノリスも賢く冷静に。最大限の2位。
・フェルスタッペンはグレーじゃなくてクロ!
・相方ローソンになってから不況続きの角田
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