無職12年の独身50代、メール相手もいない…2500万円のマンションで孤独死を待つ生活
働き盛りの世代でありながら、独身かつ無職――。ここでは、一度のつまずきで社会から孤立してしまった男たちの日常に密着取材を敢行。彼らが無職となった理由は何なのか? なぜ孤立から抜け出せないのか? 決して他人事ではない、彼らの心の叫びに迫った。
●田中淳一さん(仮名・51歳)/無職歴12年/前職SE
ファミリー世帯が多い分譲マンション、玄関を開け出迎えてくれた田中淳一さん(仮名・51歳)の目は虚ろで、呂律が回ってない状態だった。
「すいません、病気もあって、あまりうまく喋れなくて……」
玄関から通路にかけて数滴の血痕。通されたリビングはお世辞にも清潔とは言えず、病状の深刻さを物語っているようだった。
「30代中盤で転職したのが失敗の始まり。上司のパワハラで躁うつ病になり、職場で2度自殺未遂。首吊りを試みるもネクタイが切れて生き延びてしまいました」
程なくして休職した田中さんだが、会社員のうちに家だけは確保しようと現在の住まいを約2500万円、35年ローンで購入。結局復帰できず退職後、12年がたつ現在も無職生活は続いている。
「障害者年金3級として支給される月6万円を、ローンの返済に充てています。他の生活費は20代の頃から細々と続けている株の投資でまかなっています。月のプラスは平均で6万~7万円程度。とはいえ30万円近い赤字になるときもあり、消費者金融から借りて乗り切ることもしばしばです」
繰り返す躁うつと慣れきってしまった孤独
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