バツイチ幼なじみの「再び」の物語 「1日2回」いくえみ綾

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松尾慈子
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漫画偏愛主義

 いくえみ綾(りょう)の新作は、それぞれ伴侶と別れた幼なじみ同士の男女を描いている。だが2人は過去に恋愛関係になったことがなく、今のところは淡々と日々の暮らしを過ごしていく。時折2人の過去が登場するが、そのシーンにはいつも、今はここにはいない人がいる。喪失の体験を抱えて生きる大人の「再び」の物語だ。

 39歳の園田れみは、実母と娘の3人暮らし。お隣の家に、幼なじみで同級生だった鍵谷季(とき)が離婚して戻ってきた。れみは高校時代の同級生で季の親友だった忠(ただし)と結婚、季は大地主の娘と結婚した。だがお互いに結婚生活は数年で終わり、れみは死別、季は訳あって離婚した。隣同士に戻った2人は、電球の取り換えを頼まれたり、日曜日の昼にそばを食べに来たりと、ご近所づきあいよりやや近い距離感で付き合いを続けていく。

 ただ、れみは季の離婚の秘密…

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