第11回目新しくないQアノンの陰謀論、なぜ拡大?「天敵」が語る三つの理由
前回のあらすじ
もう8ちゃんは閉鎖してもいい――。運営資金に困っていたフレドリック・ブレンナンがそう思っていたころ、ある親子が接触してきます。一緒に働くようになったブレンナンに、彼らはこう言いました「8ちゃんは俺たちの権力を示す掲示板だ。」。そんな8ちゃんに「降臨」したのがQでした。
1月15日、前大統領のトランプが、今年初めてとなる集会を米アリゾナ州フローレンスで開いた。その会場で、2人の男が向かい合い、言い争っていた。
1人は、ジム・ワトキンス(58)。Qの投稿先、匿名掲示板「8chan(ちゃん)」(後の「8kun=くん」)とともに、日本の「5ちゃんねる」(旧・2ちゃんねる)の運営に携わる。
もう1人は、トラビス・ビュー(39)。本名はローガン・ストレイン。彼こそが、「Qアノンの天敵」とも言える人物だ。
2人から話を聞いたところ、ジムやその家族がかねて殺害予告を受けており、そこにビューも関与したと、ジムが勘違いしたらしい。ジムは直後に、ビューに謝罪をした。
Qアノン
「世界は小児性愛者の集団によって支配されており、悪魔の儀式として性的虐待や人食い、人身売買に手を染めている」という陰謀論、またはそれらを信じる人たちを指す。信奉者はそうした集団を「ディープステート」(影の政府)とみなし、民主党の政治家やハリウッドスターらが所属していると考えている。
「なぜ、こんなことを信じるんだ」
ビューは仲間2人とともに「Qアノン アノニマス」というポッドキャストを運営し、「Qアノンの専門家」として名高い。
以前はデジタルマーケティン…