ハリウッドに生きる「在日」 悩み抜いた「ソウジ・アライ」

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文・藤えりか 写真・福留庸友
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 俳優の朴昭熙(パクソヒ)さん(46)が、日本からハリウッドへと本格的に拠点を移し、3月末でちょうど10年。「絶対にやりたい」と強く思った米ドラマで、主要な役をオーディションで勝ち取った。動画配信サービス「アップルTV+」で25日に配信が始まった「パチンコ」。在日コリアン4代を描き、オバマ元米大統領も好きな本に挙げた米ベストセラー小説のドラマ化だ。

朴昭熙さん

1975年、新潟県上越市生まれ。俳優、在日コリアン3世。早稲田大学卒業後、文学座研究生を経て02年、米著名演出家ロバート・アラン・アッカーマンさんの舞台「BENT」の主役に抜擢。2012年にハリウッドへ。全米ベストセラーのドラマ化で、アップルTV+で22年3月25日に配信開始の「パチンコ」で主人公の次男モーザスを演じる。

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ハリウッドで得た大役

 主演は、映画「ミナリ」(2020年)でアカデミー助演女優賞のユン・ヨジョンさんという話題作。朴さんは、その次男で在日2世のモーザス役を獲得し、米誌ハリウッド・リポーターから「力強い助演」と評された。

 朴さん自身、在日3世。母方の祖母は主人公と同じ1930年代前半に、日本植民地下の慶尚道から結婚で日本へ渡った1世だ。撮影中、「韓国語なまりで日本語を話すヨジョンさんを見て祖母を思い出し、泣きそうになりました」。

 とはいえ、似た背景があるからといって主要な役を得られるほど、ハリウッドは甘くない。俳優の層が厚く、競争も激しい。「パチンコ」の他の在日コリアン役のキャストは、オスカー俳優ユン・ヨジョンさんのほか、人気韓流スターのイ・ミンホさん、米ブロードウェーミュージカル「ハミルトン」にも出演した韓国系米国人のジン・ハさんと、韓国や米国の役者ぞろいだ。

競争が激しいハリウッドで、どんな風に役を勝ち取っていったのか――。記事の後半に、朴昭熙さんのインタビュー一問一答を掲載しています。

 ハリウッドでいったいどんな風に、メジャー作品への出演を果たしていったのか。

 日本では、舞台を中心に実績…

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この記事を書いた人
藤えりか
朝デジ事業センター 戦略部 次長|記者サロンなど
専門・関心分野
SNS、戦争被害、難民、労働、ハリウッド