制裁強化でも倒れないロシア経済 ルーブルも株価も回復するわけ
江口英佑 渡辺淳基
ロシア軍がウクライナで多数の民間人を殺害したことを受け、米欧は相次いで追加制裁を打ち出している。ただ、ロシアの株価や為替が回復をみせるなど、いまのところロシア経済は持ちこたえているようにみえる。米欧などが3月までに示した制裁パッケージは、ロシアのGDPを前年比で15%前後縮小させると分析されてきたが、効果はでていないのか。
モスクワ証券取引所によると、代表的な株価指数MOEXの6日の終値は2611・43だった。2日続けて下落したものの、前日比で30%超下落した2月24日の終値2058・12からは大幅に持ち直している。
国民生活への影響が大きい通貨ルーブルの相場も回復基調だ。3月7日には一時1ドル=150ルーブル超をつけ、年初に比べて約半値に下落したが、その後上昇し、4月7日には一時1ドル=74ルーブル台をつけて侵攻前の水準を回復した。ロシア連邦統計局が発表している消費者物価指数の上昇も、3月5日以降は前週比2%以下に減速している。
こうした持ち直しの背景にあ…