暗記力は「ガンダム」で鍛えた 車種捜査の「プロ」になった警部補

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板倉大地
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 防犯カメラやドライブレコーダーがとらえた車の映像に目をこらす。暗闇の中の一瞬でも、ランプや窓枠の形から車種を推定して突き止める。容疑者の立件につなげるため、事件に関わる車の種類を調べる「プロ」が、福岡県警にいる。

 刑事総務課の宮野達也警部補(47)がこれまでに記憶した車種は約600種類、この10年で関わった事件は1500件以上にのぼる。裁判に証人として出廷することもあるが、昔から車に詳しかったわけではない。

 長年、汚職などを捜査する捜査2課で刑事をしていた。2012年に各部署の捜査支援をする「犯罪捜査支援室」に異動。だが設立4年目で認知度が低く、依頼が来ない。「何か手伝えることはないか」と、仕事を探して各部署に「営業電話」をかけ続ける。「御用聞きのようだった」

 そんな中、持ち込まれた強盗殺人未遂事件の防犯カメラ映像が転機になった。

 夜間、車で女性がはねられバ…

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この記事を書いた人
板倉大地
東京社会部|警察庁担当
専門・関心分野
事件、事故、警察行政