ウクライナのセルギー・キスリツァ国連大使(52)が4日午後(日本時間5日未明)、米ニューヨークのウクライナ国連代表部で、朝日新聞の単独取材に応じた。外交官として30年間のキャリアがあるキスリツァ氏は、ロシアの侵攻について「驚きではなかった」と話す。80分間のインタビューの話題は多岐にわたり、日本への力強いメッセージも語った。主な一問一答は以下の通り。
――ロシアによるウクライナへの侵攻が始まったのは、2月23日夜、国連安全保障理事会の緊急会合中でした。
私は「戦争は避けられない。ロシアがいつ、どのように戦争を始めるか、それは時間の問題だ」という意見でした。グテーレス国連事務総長を、私はとても尊敬しています。非常に高い道徳基準を持った、しっかりした方です。ただ、グテーレス氏の安保理での反応を見ると、彼は驚いていたようです。「プーチン大統領、戦争をやめてください」と言っていましたよね。あの瞬間、彼はようやく、平和や国連憲章を守るために正しい決定をしたと考えています。ロシアのネベンジャ国連大使も、何が起ころうとしているのかを知らなかったということに、私は相当の自信を持っています。
北方領土問題 プーチン氏との取引「なぜ可能と信じるのか」
――プーチン氏の「特別軍事作戦」の宣言を知ったとき、どのように感じましたか。
過去30年間、ロシアは数多…