激増する老朽化マンション、進まない建て替え 再生促し制度を改正
山本孝興
大都市を中心に林立するマンションの老朽化が深刻になっている。築40年以上の物件は、10年後には倍以上に増える見込み。売却や建て替えを円滑に進めるため国は制度改正を重ねているが、ハードルはなお高く、さらに踏み込んだ対応の検討も進めている。
高層ビルなどの再開発が進む東京都港区の竹芝エリアで、新たなマンション「パークホームズ浜松町」の建設工事が進んでいる。敷地面積約600平方メートル、18階建て、総戸数102戸の物件が来秋完成予定だ。
JR浜松町駅にほど近いこの場所にもともと立っていたのが、「浜松町ビジネスマンション」だった。154戸の9階建てだったが、解体時点で築47年がたっており、建物や設備の老朽化が目立っていた。
建て替えか、大規模な耐震補強工事か――。所有者らは10年近く前から本格的な検討を始めたが、いずれの場合も所有者は相当の費用を負担することが避けられず、合意は難しかった。
ハードル高い所有者の合意、新たな制度活用で打開
そこで選んだ道が、売却だ…