魔女の宅急便、9割は中学英語なのに なぜ聞き取れないか分析したら
江戸川夏樹
ある日、ふと思った。
英文法は完璧。単語もかなりわかる。でも、自分にリスニングの力はどれくらいあるんだろう?
三重県で小中学生向けの個人塾「hakken.」を経営する矢野力さん(40)は4年前、当時3歳の娘とジブリ映画「魔女の宅急便」(魔女宅)を英語の吹き替えで見てみた。
結果、「ほとんどわからなかった」。
大学生の時、塾講師のアルバイトをしていたことをきっかけに、ビジネスコンサルティングを経て、2008年、26歳で塾を開いた。「長年、鉛筆で勉強する英語には慣れ親しんできた」
なのになぜ、わからないんだろう。理由が知りたくなった。
何回か見ていて、娘も大好きな「魔女宅」と「千と千尋の神隠し」を分析することにした。
インターネット上にアップされている英訳の台詞(せりふ)やDVDの英語字幕を参考に、翻訳ソフトも使って台詞をすべて書き出した。その上で、その言葉がそれぞれ何回使われているか、地道に数えていった。
「魔女宅」で使われた英単語は全部で7672語だった。約70ページの児童向け洋書と同じぐらい。同時に分析したディズニー映画「アナと雪の女王」(アナ雪)の7646語とほぼ同じだった。
英単語の種類 「ジブリ」と「ディズニー」に差
驚いたのは、英単語の種類だ…