親に殴られ12歳から4度うつ病 東大卒の精神科医が患者に願うこと
長富由希子
中学受験で難関校に合格し、高校の全国模試で総合1位を取り、東大に現役合格して医師になった。
こうした経歴の裏で、成績が悪ければ親に殴られ、12歳からうつ病を4度繰り返した。
「子どもの頃から両親の顔色をうかがって、常にびくびくしていました」
小学生の頃は成績が悪いと父親に罵倒され、たたかれた。
母親は、悪い成績を見ると真っ青になってトイレで吐いて、寝込んだ。
自室はトイレの横にあり、吐く音が、よく聞こえた。
「母親をこんな目にあわせるなんて、最低だ」
耳をふさいで泣いた。
ずっと人と関わることが苦手で、自信もなかった。
10月10日は心の不調への理解を願う「世界メンタルヘルスデー」です。精神科医になった岡本さんは、うつ病に苦しんできました。学生時代のうつ症状と勉強、どのように自分の心を安定させていったのかなどを聞きました。
「絶対に失敗できない」 コース上で嘔吐
対照的なのが三つ上の兄。社交的で、勉強も運動もよくできた。
周囲に、よく比べられた。
「お前の兄ちゃんはすごいな…