寝台列車27両もなぜ放置? 往年の「ブルートレイン」今後どこへ

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佐藤仁彦
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 かつて東京・上野と青森、秋田両県を結んだ寝台特急「あけぼの」に使われた客車など27両が、秋田市の秋田港駅の構内に3年近く放置され、劣化が進んでいる。10月、荷主に保管場所として線路を貸した秋田臨海鉄道(臨鉄)が、所有権を得た。車両の希少価値に着目する企業から譲渡の誘いもあったが、臨鉄は早期の解体・撤去に踏み切ろうとし、残念がる鉄道ファンは少なくない。一方、臨鉄側からは「我々は被害者だ」との声も聞こえる。いったい、何が起きているのか。

 100メートルの高さから360度のパノラマを楽しめる秋田港のポートタワー「セリオン」。そこから眺めると、約200メートル北の線路上に、古ぼけた青い車両が3列に並べられている。

 近くに寄って見ると、塗装がはがれた場所から、茶色いさびが浮き出ている。

 車番「オハネフ24―15」の側面には、寝転がってウィンクするクマの絵が印象的な「ゴロンとシート」のロゴマーク。当時、これに乗って旅に出た人なら、青春の淡い思い出が次々と脳裏をよぎるだろう。

 国鉄時代に造られ、寝台特急「北斗星」や「日本海」とともに「ブルートレイン」の愛称で親しまれた客車だ。「24系」と呼ばれ、旅の象徴でもあった。

 この懐かしの客車が、秋田の地でなぜ、こんなにたくさん集結しているのか。

 「あけぼの」の定期運行は2…

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