種まき育て「第一級」に 老舗レストランとセロリ、90年の縁

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尾崎千裕
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 クラシックな内装に、優雅な雰囲気。このレストランで味わうコース料理の一皿目にどどーんと出てくるのは、立派な生のセロリである。

 大阪の洋食の草分けともいえる欧風料理店「ガスビル食堂」。御堂筋に面した、大阪ガス本社の大阪ガスビルディング(ガスビル)8階にある。ビル完成の1933(昭和8)年に誕生した。

 当時は食堂のほか、吹き抜けの講演場や、ガスを使う料理教室もつくられた。都市ガスのあるモダンで便利な暮らしを体感してもらうためだった。

 コース料理につく生セロリは、創業当時からの名物なのだという。そこには、当時の大阪ガス会長・片岡直方(なおまさ)のこだわりがあった。

 「本物の西洋料理にセルリー(セロリ)は欠かせない」

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