「どうせ大したことは…」1年間放置した異変 38歳で乳がん告知

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 「若くたってがんになる」の7回目は、乳がんと診断されたチサさん(43)です。がんの経験をいかすため、現在は社会福祉士の資格取得をめざして勉強中です。

1979年東京都生まれ。大学を卒業し、複数の職場を経てIT系の会社に14年勤める。38歳で右乳がんになり、乳房部分切除術、放射線治療を経て、現在はホルモン治療中。

 「長生きはしたくない」

 ずっとそう思って暮らしてきました。

 毎日、仕事と家の往復。楽しいことなど何もなく、ただ日課をこなすだけの日々。

 やりたいことも特になく、何をすればいいかもわからない。

 「私はなぜ生きているのだろう……?」

 悶々とする日々を過ごしていました。

 しかし、そういった生活が、がんによって一変しました。

 2017年10月、仕事中に、右乳房の乳頭に異常なかゆみを感じ、トイレへ駆け込みました。個室で確認すると、乳頭に黄色がかった液体が付着していました。

 実は、かなり前から右側乳頭が少し腫れ、たまにかゆみを感じていました。しかし、分泌物は初めてでした。

 驚いて乳房を触ってみると、小さなしこりのようなものがあるように感じます。

 「まさか、乳がん?」という考えが一瞬頭を横切りました。

 しかし、乳頭の分泌物についてネットで調べてみると「良性の場合もある」とのこと。

 これまでの無気力さが災いし、この時はそのまま放置してしまいました。

診察室で感じた胸騒ぎ

 それから約1年が経ち、38歳のときでした。

 会社の健康診断のオプションで、「乳がん検診」を受ける機会がありました。

 分泌物は止まらず、しかも少…

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