「これほど生々しい…」放送法めぐる行政文書、メディア関係者も驚き

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平賀拓史 中沢絢乃 田島知樹
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 安倍政権下で放送法の政治的公平性について首相官邸側と総務省側とのやりとりを記した内部文書とされる資料を、総務省が行政文書と認めた。TBSやテレビ朝日の具体的な番組名を挙げて「(安倍)総理が問題意識を持っている」などと礒崎陽輔首相補佐官(当時)が発言するなど、放送法に新たな解釈が追加されるまでの経緯が読み取れる。メディア関係者は文書の内容を驚きをもって受け止めた。

 「政府与党に批判的な報道がしにくい空気が、現在までじわじわと広がってきた」

 テレビ朝日の報道局員は、放送法の政治的公平性について、一つの番組でも判断できるとの新たな解釈が追加された2015年以降の現場の雰囲気をそう表現する。

 当時はあまり実感が無かったが、徐々に広がった「空気」。それが醸成されるまでの過程が、今回の文書で「答え合わせされた気がする。ピースがはまった」と感じたという。

 当時の報道現場を知る民放キ…

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この記事を書いた人
平賀拓史
文化部|論壇担当
専門・関心分野
歴史学、クラシック、ドイツ文化など