第3回金髪にカラコン、「ノリで出た」選挙 ママの声代弁し続け議会に変化

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野崎健太
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 「娘さんが泣きやまず、ひきつけを起こしています」。2020年4月、鹿児島県和泊町に住む山口明日香さん(28)の携帯電話に保育所から連絡があった。長男の小学校の入学式があり、生後9カ月の長女を初めて預けた日だった。

 大事に至らなかったが、同じ月の下旬、長女は自宅で全身のけいれんに見舞われた。町がある人口1万人余りの沖永良部島は、鹿児島市から約500キロ。ドクターヘリで運ばれた奄美大島の病院で約1カ月、長女に付き添った。

 この経験が、山口さんが町議選に立候補するきっかけになった。

 知人から8月の選挙が「無投票になりそう」と聞くや、「じゃあ、私が出る!」。医療や福祉が万全ではない島で、事務員として働きながら祖母を介護し、3児を育てる苦労を島の人たちに分かってほしい――。「もっと子育てしやすい島に」と考えた。

 「落選しても失うものはないですから」

金髪にカラーコンタクト 選挙ポスターは「ふだんのまま」の姿で

 幼い頃から20歳まで島を離…

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この記事を書いた人
野崎健太
長崎総局長
専門・関心分野
原爆・平和、1次産業