福島第一原発1号機、原子炉台座内壁が全周損傷 パノラマ写真公開
山野拓郎
東京電力福島第一原発1号機(福島県)の原子炉の真下の調査で、東電は、撮影した画像をつなぎ合わせた写真を公開した。原子炉を支えるコンクリート製の台座(高さ8・5メートル、外径7・4メートル)の内壁の下部約1メートルが全周にわたって鉄筋がむき出しになっていたという。
調査は3月下旬に実施。東電はこれまで、撮影できた範囲から半周にわたって鉄筋がむき出しになっていると説明していたが、映像を解析した結果、全周の損傷が判明したという。
東電によると、台座の下部は厚さは約1・2メートル。そのうち損傷がどの程度か確認できていないが、中ほどに入っている鉄板が一部で露出していたため、半分の厚さの0・6メートルまでコンクリートがなくなったと推定して耐震性を評価し直すという。
東電は14日の原子力規制委員会の会合で、台座の耐震性について、昨年3月の福島県沖を震源とする最大震度6強の地震など「これまでも強い地震を経験しているが、台座の支持機能は維持されているのは事実」と説明。原子炉圧力容器の傾斜や沈下が起きる可能性は否定できないとしたものの、影響は限定的で、外部への影響もないと考えているという。
一方、原子力規制庁の担当者…