食べない子ども、どうすれば 偏食外来の医師「強制や指導では…」

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聞き手・平井恵美
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 「好き嫌いせずに食べなさい」。子どもをこう叱った経験はありませんか。神奈川県立こども医療センターで偏食外来を担当し、「子どもの偏食外来 いつもの小児科外来や健診で役立つヒント」などの著書もある大山牧子医師は「強制や指導することで子どもは食べるようにならない」と指摘します。食べてもらうにはどうしたらいいのか。乳幼児の摂食障害に詳しい大山医師に詳しくお話を聞きました。

何をどのくらい食べるか 子どもが決める

 ――家庭での食事や保育園などの給食で、小さな子どもに「全部食べなさい」などと指導することは必要なのでしょうか。

 言葉や態度による強制や指導では、子どもは食べるようになりません。食べることは子どもが自ら、出されたものから必要なものを選び取り、必要な量を食べるようになることが目標です。大人は子どもが自分でできるようになると信じて支援することが大事です。

 ――強制や指導をすると、どんな弊害があるのでしょうか。

 強制は子どもにストレスを与え、交感神経が優位となって普段以上に食べなくなるので逆効果です。どれを食べるか食べないか、どのくらいの量を食べるのかは子どもが決めるようにしてください。リラックスした状況で副交感神経が優位になると子どもはどれを食べるか、どのくらいの量を食べるのか、適切に選べるようになります。

 ――大人の役割をどう考えますか。

 「いつ」「どこで」「何を」食べるかを決めることです。生活リズムを整え、決まった時間に食事を提供する。体幹が安定するように、食事用のイスと机の高さを調整することも大事です。保育の現場などではイスと机の関係は適切にできています。

 複数の研究によると、乳幼児…

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