乗り越えられるか「年収の壁」 納得して保険料払える環境づくりを

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記者解説浜田陽太郎、沢路毅彦

 様々な分野で人手不足が叫ばれている。時給を上げてパートやアルバイトらを確保しようと、必死になっている企業もある。物価も上がるなか、より長い時間働き稼ごうという人も目立つ。そこで問題となるのが、働き手の意欲をそぐとされる「年収の壁」だ。政府は新たな対策を始めるが乗り越えるのは簡単ではない。

 「『扶養の国』安心と足かせと」。今から9年前の朝日新聞に、こんな見出しの記事が載った。

 出産を機に会社をやめた女性が会社員の夫の扶養に入った。年金の区分がフルタイムで働く「第2号被保険者」から、扶養される配偶者の「第3号被保険者」(3号)になったことで、年金と健康保険社会保険料の支払いがなくなった。税制では配偶者控除が受けられ、夫の会社から配偶者手当も出るようになったという。

 「この世界に一度入ったら…

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