両親殺害の背景にあった「教育虐待」 大学進学後も暴力、正座、罵倒
三ツ木勝巳
「学校の成績が悪い」
そんな理由で父親から暴力を振るわれ、1時間以上、正座で説教させられながら、「失敗作」とののしられる――。
殺人罪に問われた元九州大生の長男をめぐり、公判で明らかになったのは、「教育虐待」とも呼ばれる壮絶な仕打ちだった。
事件が起きたのは、今年3月9日。判決によると、鳥栖市内の実家で50代の父親と40代の母親の首や胸などをナイフで複数回刺して殺害した。
父親への恨みを募らせたうえでの犯行で、止めに入った母親も刺したとされる。
公判は9月1日に始まった。
被告人質問で注目が集まったのが、父親と長男の関係だ。
長男の説明によると、小学校のころから成績が悪いと胸ぐらをつかまれ、蹴られてアザができた。1時間以上、正座をさせられ、説教が続く。
弁護人によると、父親が決めた中学受験の勉強が始まると、さらに暴言や暴力はエスカレートしたという。
長男は暴力を受けながらも勉…