パジャマ、スリッパで逃げ出した夜 元ジャニーズJr.の後悔と覚悟

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島崎周
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 元ジャニーズJr.の長渡康二さん(40)は9月7日、日本記者クラブの控室でテレビ中継を見つめていた。

 ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子前社長、東山紀之新社長らが記者会見し、冒頭でジャニー喜多川氏の性加害の事実を認めて頭を下げて謝罪。被害者と対話をしながら救済をしていく方針を示した。

 求めていたことがそのまま受け入れられ、驚いた。前に進んだ気がした。

 だがその後、少しずつ首をかしげ始める。東山氏は、喜多川氏の性加害について「うわさとしては聞いていた」と発言。自身が性加害をしていたか問われると、当初は「したことがない」と言っていたが、その後、「している可能性もあるし、もしかしたらしていないかもしれない」などと、二転三転する場面もあった。

 腑(ふ)に落ちない部分がたくさんあった。

 「彼らは冒頭で言ったこと、本当にちゃんとやってくれるのかな……」

喜多川氏から渡された電話番号、そのままホテルへ

 その後に控えていたのは、被害当事者としての記者会見。表情がくもったまま、控室を出た。

 小学6年の時に事務所に入所した。アイドルグループ「SMAP」にあこがれ、事務所に4回も履歴書を送った。それから数カ月後、自宅に喜多川氏から電話がかかってきた。

ジャニー喜多川氏の性加害問題で、被害を告白した元ジャニーズJr.の長渡康二さんが、朝日新聞の取材に当時やその後に起きたことを語ってくれました。

 「レッスンが3日後くらいに…

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この記事を書いた人
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権
ジャニー喜多川氏の性加害問題

ジャニー喜多川氏の性加害問題

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