肌で感じたインド人のクリケット愛 W杯の熱狂と失意 特派員メモ
石原孝
11月19日昼ごろ。インド北西部の村で取材を終えて引き揚げようとすると、「チャイでも飲んでいって」と誘われた。お言葉に甘えていただいていると、案内役のビカス・メタさん(23)がそわそわし始めた。
「そろそろ行こうよ」。訳を聞くと、午後2時から大事なクリケットの試合があるからという。インド開催のワールドカップ(W杯)の決勝戦が予定されていたのだ。
発祥の英国に植民地支配された影響などもあり、クリケットはインドで最も人気のあるスポーツだ。試合時間が長く、議論好きのインド人に向いていたという説もあるほどだ。子どもたちが公園や路地裏でプレーするのもよく見かける。
実は、スポーツ観戦好きの私…