「のはらうた」の工藤直子さん全詩集 「好きになればあなたの詩」
河合真美江
「のはらうた」の仲間たちと言葉で遊んできた詩人、工藤直子さん。昨年出版された「工藤直子全詩集」(理論社)には10代で作った未発表の詩を含め、1100編余が収められた。70年にわたる詩作をたどれば、生きる喜びや切なさがつまっている。
かぜみつる、かまきりりゅうじ、へびいちのすけ……。そんな名前の生き物たちがつぶやいた詩「のはらうた」(童話屋)は教科書にも載り、子どもたちにおなじみだ。「てつがくのライオン」(理論社)も幅広く親しまれている。
子どもの気持ちで書いたのではなく、いまも子どもだと88歳の工藤さんは話す。「私の中では3歳から10歳までの記憶がほとんどです。大人のふりをしていますが」と笑う。
工藤さんの作品は擬人化が多いといわれるが、擬自然化だという。「自然に模して、ものが見えるんです。人もいろいろなものに見える。山のような人がいたり、大きなもので包んでくれるような人がいたり」
詩は読んだ人が好きなように…
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