発達障害の17歳「ふつう」って何? 上から目線の人に感じる違和感

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鈴木彩子
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 発達障害と診断されている2人の高校生の葛藤と成長を描く映画「ノルマル17歳。―わたしたちはADHD―」が4月上旬、東京都内で公開される。SNSに投稿された予告編の動画は200万回以上再生され、多数のコメントが寄せられている。

 主人公は、落ち着きがなくて忘れっぽい「ギャル」の朱里(じゅり)と、真面目で勉強家だけれどうっかりミスの多い絃(いと)。全く異なる境遇で育った2人が、ある日公園で出会い、友情を深めていくストーリーだ。

 作品には、「ふつう」という枠にはめようとする親や、「できない」ことを責める周囲と衝突する姿も描かれている。

 「本当に人の気持ちわかんないよね」と姉から迫られ、かっとなってたたいてしまう朱里。

 「お前はADHDという名前にただ甘えているだけだろう」と語気を強める父親に、朱里は、やろうとしてもうまくできない心の内を吐き出す。

 「好きでこんな体になったんじゃねぇよ……」

 「ふつう」になりたい、でもなれない。そんな思いを抱える朱里と絃はやがて、本当に自分たちが変なのだろうか、と感じ始める。ありのままのそれぞれを見つめ、二人は一歩ずつ、前へと進んでいく。

 タイトルの「ノルマル」は、「Normal」(ふつう)からとった。

 脚本は、公募で選ばれた神田凜さん(24)が手がけた。高校生の時、身近な人が発達障害の診断を受けたことがきっかけだ。

「いきって見下してんじゃねーよ」 言葉に込めた思い

 その人は、遊びに行く約束を…

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この記事を書いた人
鈴木彩子
くらし報道部
専門・関心分野
医療・健康、脳とこころ、アレルギー