強気の裏ににじむ大国の苦悩と焦り 中国総局長が見た全人代報告

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林望・中国総局長=北京 山根祐作 岩田恵実

記事後半には、政府活動報告の要旨があります

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《視点》高い目標、政権の課題の裏返し 中国総局長・林望

 5日、中国・北京で開幕した全国人民代表大会全人代)で、李強(リーチアン)首相が今後1年の施政方針演説にあたる政府活動報告を行った。

 最大の注目は、変調ぶりが顕著な中国経済にどのような処方箋(せん)を示すか。李氏は「長年の潜在的な問題がにわかに顕在化し、新たな問題が次々と生じた」とし、世界が注視する不動産不況、地方の財政難などに言及。経済のてこ入れに向け、「質の高い発展」「内需の拡大」など政権が以前から掲げる目標を盛り込んだ一方、市場から期待される財政出動については、「積極的な財政政策は適度に強化し効果を高める」など慎重な言い回しが目立った。

 今年も米中対立は大きなテーマだ。李氏は技術覇権争いを背景に「新型挙国体制の優位性を発揮し、独創的なイノベーション力を高める」と強調。半導体など先端の基幹技術分野での競争力を高めると強調した。

 新たな発展段階と新たな国際…

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この記事を書いた人
山根祐作
国際報道部
専門・関心分野
国際情勢、日中関係、中国、在日外国人、語学