予算の年度内成立にこだわった首相 野党吹っ飛ばす「秘策」

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西村圭史
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 週内にも参院本会議で2024年度当初予算案が成立する見通しだ。憲法の規定の「30日ルール」で年度内の自然成立を確実にするため、政府・与党は一時、衆院通過を遅らせようとする野党に対抗する「秘策」を検討していた。

 予算案は憲法の規定で参院に送られてから30日で自然成立するため、政府・与党は2日の衆院通過と参院への送付を目指した。一方、野党は参院送付を3日以降に遅らせて自然成立を阻止しようと、1日に衆院予算委員長の解任決議案や鈴木俊一財務相の不信任決議案を提出。長時間の演説をして採決を遅らせる「フィリバスター」(議事妨害)も行い、徹底抗戦の構えを見せた。

 政権にとって予算案の年度内成立は最優先課題。過去には、1989年にリクルート事件で追い込まれていた竹下登政権が同年度予算を3月末までに成立させられず、4月に退陣表明した。

 岸田文雄首相の求心力は自民党派閥の裏金事件で低下しており、予算の自然成立まで逃せば、予算成立と引き換えに「岸田降ろし」が起きかねないとの懸念を首相は抱いていた。首相官邸内では対抗手段を躍起になって探した。

 「見つけました!」。内閣の…

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