「一般人には無理」留学の負担が円安で激増 国際競争力低下の懸念も

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田中恭太 山本知佳
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 放送大3年の女性(22)=広島県=は、円相場の行方が気になる。

 ただ、確認は週に1回ほどにとどめているという。

 「レートを見ると落ち込んじゃうから」

 米国の大学での学位取得をめざしていた。

 米国の映画や文化が好きで、将来は米国で働くのが夢。高校生の時に留学したが、1年間の予定が新型コロナウイルス感染症の影響で半年に。現地の大学を見るなどして進学の意思を固めた。

 2022年3月に高校を卒業し、放送大に進学した。2年分の単位を取得すれば米国の大学の3年次に編入する道が開けて、全体的に費用が抑えられるからだ。

 当時は1ドル120円前後。昼夜勉強とアルバイトに励んできた。

 だが円安が進んだ。昨秋に資金計画を計算し直すと、親からの支援を踏まえても「絶対に足りない」と気づき、進学は断念。円安はさらに加速して決定的になった。

教育機関は対応に奔走

 1米ドル150円台の記録的な円安が続いています。110円前後だった5年前、100円台だった10年前に比べ、海外で学ぶ学生が負担する学費や生活費などの負担は段違いです。交換留学などに送り出す教育機関側は対応に奔走していますが、留学を断念する学生もいます。「日本の国際競争力が低下しかねない」と影響を懸念する専門家に、必要な対策を聞きました。

 「もともと留学にはお金がか…

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この記事を書いた人
田中恭太
国際報道部
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国際情勢、裁判、デジタルプラットフォーム、独占禁止法