「香害」の苦しさを知って 東洋大学の川越図書館でパネル展開催
中村英一郎
柔軟剤など日用品に含まれる化学物質に反応し、体に不調が表れる「化学物質過敏症」を知ってもらおうと、東洋大学川越図書館(埼玉県川越市)でパネル展が開かれている。8月2日まで。
化学物質過敏症は、香料入りの「マイクロカプセル」を配合した柔軟剤などのにおいをきっかけに発症する人が近年増えており、「香害」とも呼ばれている。頭痛や吐き気、めまいなどの症状がある。
今回の展示は、患者らでつくる団体の協力のもと、約30枚のパネルで症状や苦しむ人たちの声を紹介している。
同大で、化学物質が人体に害を及ぼすメカニズムなどを教える安藤直子教授(食品毒性学)が、企画に携わった。
安藤教授は「メーカーが安全基準を満たしたとする製品が、実は有毒だったというケースは、歴史的にも毒性学ではよくあること」といい、「多くの人の『快適さ』のために、患者が犠牲になっている。香害の存在を知ってもらうことが、社会の配慮につながるのではないか」と訴える。
午前10時~午後5時。入場無料。問い合わせは同大図書館カウンター(049・239・1321)まで。