被爆者の父が容認する核抑止論 元NHKアナ杉浦圭子さんの歯がゆさ

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聞き手・柳川迅
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 身内の被爆体験を伝える広島市の「家族伝承者」として昨冬から、13歳で被爆した父の体験を語っています。父は爆心地から2キロの県立広島商業学校の校庭で被爆しました。やけどを負いながらも、郊外の自宅まで約13キロの道のりを歩いて帰ったといいます。

 幼い頃から折に触れて、父の被爆体験は聞いてきました。ただ、放射線の影響や差別など「被爆者の娘であることの不安や苦痛」を感じたことはありませんでした。

 若い頃の父は明るい性格の上、病気らしい病気をしたことがなかった。父の被爆はたいしたことがなかったんだろう、と思っていました。

 被爆40年の1985年の夏、初めて原爆・平和関連の番組を担当しました。NHK広島放送局に「はだしのゲン」の作者の中沢啓治さんとアグネス・チャンさんを迎えてヒロシマの継承について考える番組で、先輩のアナウンサーとともに進行役を務めました。でも、台本の内容を伝えるのが精いっぱいで、被爆2世ならではの思いを伝えられませんでした。

 父の体験や被爆地の訴えを聞…

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