「心揺れていた」高飛び込みの玉井陸斗 逆転の銀メダルに込めた思い
藤木健
飛び込みの男子高飛び込み決勝で、玉井陸斗は最後の6本目にすべてをかけた。
後ろ向きに踏みきり、2回半宙返りに2回半ひねりを加える。「僕の相棒であり、一番得点を出せる」という必殺技だ。力強く空中で回転し、短い音を残して水しぶきが上がらない入水。完璧だった。
大歓声が上がり、表示された点数は99.00。決勝全選手を通じて最高点をたたきだした。ガッツポーズ。日本飛び込み界初の五輪メダルが決まった瞬間だった。
「お前が日本初のメダルを取るんだよ」
東京五輪王者の曹縁(中国)…